新しいITシステムとそれによる業務改善の方向性

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2015年に出版した
『業務効率UP+収益力UP 中小企業のシステム改革』幻冬舎 (2015/9/18) より
書籍内のコンテンツをタイトルごとに公開いたします。

コンテンツの最後に、コンサルタントのコメントを追加しておりますので、合わせてご覧ください。


P.191~

第4章
「To Beモデル」のシステム構築&改修で、業務効率・収益力を向上させる

新しいITシステムとそれによる業務改善の方向性

新システムは、以下の基本コンセプトで計画されました。

① 商品の動きをすべてシステムへ反映させること
システムから出力された伝票でしか入出庫を行わないことをルール化し徹底させます。
② 在庫にかかわる全業務をカバーすること
発注から出荷に至る作業を網羅し、システムから外れる作業をなくします。
③ 入力データの有効活用
手間がかからないように、一度のデータ入力で、関係する情報を連動して変更します。また、システムに蓄えられたデータを自由に活用できる環境を、より多くの人に提供します。さらに、在庫管理作業の入力作業の負荷を軽減するためにバーコードとバーコードリーダーを活用します。
④ あらゆる担当者、あらゆる場所で使用可能
在庫データを画面上ですぐに確認できる仕組みを作り、これまでの手書きノート等の廃止を行います。また、商談中、在庫検索中でも参照可能な無線LANの導入も検討します。
⑤ 業務手続き・組織・制度の見直し
コスト計算を最終仕入原価法から移動平均法へと変更します。

滞留在庫品の原価を見直すとともに、営業担当者の業績評価法を見直します。これによって、皆が在庫削減を目指す仕組みを整えます。

経理処理を、現金主義から発生主義へと完全移行します。これによって、月次決算の迅速化を目指します。

以上の基本方針をもとに、新システムの導入計画がたてられました。

新システムの導入によって、T社が抱えていた在庫は大きく減少し、それによってシステムの導入費用をまかなうことができました。

ちなみに、この案件での当社のコンサルティング報酬も約334万円です。T社の社長さんにはたいへん感謝され、私たちもおおいに面目を施しました。

ITコンサルタントのコメント(2023年4月4日)

あらかじめToBeモデルを描いた状態で、新システムの基本コンセプトを考え、クライアントの業務改善に貢献できました。
この事例では、システムの入替えだけでなく、業務プロセスや管理手法の見直しも行いました。単にシステムを入替えるだけだと、業務遂行の道具をひとつ入替えるだけになってしまい、業務全体の最適化や抜本的な改革は難しいです。
情報システムやITインフラだけでなく、業務ルールや組織、制度などの見直しも含めた改善によって業務全体を最適化できたことで、効果的な結果を得られたものと考えられます。


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