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 基幹システム稼働プロジェクトが成功できるかどうかは、発注したユーザ企業と受注したシステム会社が適切に協力体制を組めるかが一つのキーポイントになります。
 その中でも特にユーザ企業側のプロジェクトリーダの動きが大切です。

 中堅中小企業における基幹システム稼働プロジェクトでプロジェクトリーダはどのようにプロジェクトをリードすれば良いのでしょうか。

 中堅中小企業での基幹システム稼働プロジェクトは、大企業でのそれと管理すべき内容は大きく変わりません。しかし、大企業のプロジェクトと同じように企業内で人員を適切に割くことができません。代わりがいないため現場の負担が大きくなり、ビジネスへの影響が出てきてしまうリスクがあります。そして企業としても多くのプロジェクトがないため、プロジェクト慣れをしていないメンバーが集まることにもなり、プロジェクトの運営が非常に難しいのが実情です。

 そのようなプロジェクトをまとめるためにプロジェクトリーダは、以下のことを意識してプロジェクトチームをまとめる必要があります。

①プロジェクトメンバーの上長を巻き込んで、部門間の調整役を自ら進んで行いましょう。
 プロジェクト慣れをしていないメンバーは、自分が分っている業務は適切に意見や要望を出せるのですが、部門を代表してメンバーとなっている意識が希薄です。また、業務を理解しているから部門の代表となってプロジェクトに参画しているはずですが、実はその業務とはビジネスロジックを理解した上での業務ではなく、現行システムを利用して業務を回すことに長けているだけの場合も多くあります。いち早く問題を察知するためには、いざとなったらプロジェクトメンバーの上司も巻き込めるよう、常々準備をする必要があるのです 。

②問題点や課題を全社視点で意識的に把握して、必要に応じて、柔軟にステークホルダーを
 見つけて直接相談しましょう。
 リーダ自身が問題を感じたら、たとえメンバーが問題ないと主張しても、直接担当者にヒアリングすべきです。組織の和を乱すと指摘されるようであれば、メンバーの面目を保てるように同行してもらえばいいのです。
 中堅中小企業は仕事が属人化していることが多くあります。部門を代表して、打合せをし、「問題ありません」と回答を頂いても、実は「私はその業務をよく知りませんが、おそらく問題ありません」との意図での回答だった場面に私はよく遭遇します。(実際に、直接ヒアリングすると問題だったりすることが多くあります)

 中堅中小企業でのプロジェクトのリーダは、課題管理やスケジュール管理は当然のことながら、周りを巻き込みながら問題解決のための調整・行動が非常に重要なのです。

 私は、全社的な業務をシステム化する基幹システム稼働プロジェクトは次世代のリーダの成育の場にもなっていると考えます。15年以上前とある大規模病院でのシステム稼働プロジェクトでリーダをしていた技師の方は、現在事務長職に就いて病院の経営をサポートしています。(技師の方が事務トップになることは大病院では異例なことです。)当然当人の適性もあると思いますが、そのプロジェクトで病院組織全体の調整役・指南役としての訓練ができたため、抜擢されたと容易に推測できます。

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2016年04月12日 (火)

青山システムコンサルティング株式会社

嶋田秀光