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どんなに報告資料や口頭説明の論理展開が的確であっても、その中で扱う情報が間違っていると、導かれる結論も間違ったものになってしまいます。

 先日、ある企業の基幹システムの入替プロジェクト支援の一環としてメーカーからの製品紹介の場に同席した際、システムベンダーA社の営業担当者はプロジェクトメンバーの方々に次のような説明をしました。

「弊社のシステムは在宅勤務でも問題なくシステム利用が可能です。」

この説明を受けたプロジェクトマネージャーは、早速経営層に対して同ベンダーの製品導入を前提とした1社選定の検討開始を、以下の事由とともに報告するとおっしゃいました。

「A社のシステムは在宅勤務でも問題なく利用でき、また累計導入社数シェアも連続No.1である安心感もあり、当社の次期基幹システムに相応しいと判断できます。」

 

 報告資料や口頭説明の場においては、丹念に論理展開すると内容が冗長になってしまうため、ある程度、前提となる情報を省略することが一般的です。この省略されてしまった「隠れた前提」が、経営判断の落とし穴となることは、以前のコラム(※)でも述べさせていただきました。
「隠れた前提」への意識(2019年の弊社コラム)

 しかし今回の報告は、「隠れた前提」への意識をする以前の問題として、プロジェクトマネージャーは経営層に対して間違った情報を経営層に報告してしまいそうになりました。

間違った情報とは、この言葉です。

「問題なく…」

多くの報告資料や口頭説明で使用する「問題なく」という言葉、皆さまは正しく使っているでしょうか。今回の場合は、弊社のコンサルタントが同席していたこともあり、この「問題なく」という言葉が誤りであることに気づき、お客様に対して助言することできました。

このケースの場合の誤りは、

  • 閉域網でのみ構築・稼働できるシステムであるため、インターネットから閉域網に接続するVPN等の仕組みをお客様自身が用意する必要がある。
  • お客様のテレワーク環境では、画面転送型のリモートデスクトップサービスにて利用するため、帳票印刷ができない問題を解決する必要がある。

の2点でした。

勿論これらの落とし穴は別のソリューションを活用することで解決できたり、業務プロセスの見直しで解決できる問題ではあります。しかし、これらを問題として伝えることは、報告資料や口頭説明の場において重要であることは言うまでもありません。

 

このような誤った情報にひっかからないようにするには、常日頃バランスよく知識を収集するとともに、「何か変だな」と少しでも感じたら、「本当に?」の質問をする習慣を身につけることが大切です。

勿論、初期段階においては「何が変なのかわからない」というシーンも多々あると思います。弊社でも、今回の事例のようにお客様の立場にたって、様々な会議体に同席するようなご支援も提供しております。

自社の既存ITシステムの保守・運用や新たなITシステムの導入・検討プロジェクトにおいて、「何が変なのかわからない」が「何かが変だと思う」といった、お困りごとがありましたら、弊社コンサルタントまでお気軽にご相談ください。

 

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2020年09月07日 (月)

青山システムコンサルティング株式会社

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