新元号への対応、進んでいますか?

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「平成」も残り8か月余りとなりました。時代の大きな区切りを感じます。そんな思いの一方で、ITシステムに関しては新元号への対応が必要になります。

平成になった30年前と比べると、ITシステムの利用範囲も大きく広がりました。元号を利用しているITシステムも多くあります。

新元号がいつ公表されるのかもよくわからず、どのような対応が必要になるのか不安な方も多いと思われます。改元される時期は明確に分かっているものの、各種ベンダがいつ対応できるかもわからず、行政のシステムでも「平成」の利用をしばらく継続するという報道もあります。いつ、何をすればよいのかがよくわかりません。

あらためて、新元号への対応として想定されることを整理してみます。

まず、新元号の公表時期についてですが、現時点(2018/8/21)で未定です。
今年5/17に開催された「新元号への円滑な移行に向けた関係省庁連絡会議」において、以下が決定されました。

 

【情報システム改修等を円滑に進めるための作業上の便宜として、新元号の公表時期を改元の1ケ月前と想定し、準備を進めることとすることを決定】
但し、「新元号の公表時期は、現時点で未定です」と注釈がついています。

 

あくまでも公表時期は未定だが、「1ケ月前と想定」して準備を進めてください、という内容です。政府としても想定で動かざるをえないという状況です。
同内容が経済産業省から各種団体に向けて連絡されています。

そのようななか、今月に入ってから一部与党議員から政府に対して、新元号の制定・公表時期について「来年5月1日の新天皇の即位後とすべき」との要請がされました。そのようなこともあり、1ヶ月前に公表されるのかさえ、未だ不明確です。

ただ、公表時期が不明確とはいえ、やるべき内容はさほど変わりません。

 

【各種ソフトウェアのアップデート】
OSやミドルウェア、ユーザアプリケーションにおいて新元号に対応したバージョンへのアップデートが必要です。
各ベンダから発信されている情報を確認し、適用時期、適用方法、影響などを確認してください。

例えば、MicrosoftのWindows10では既に2019年5月1日からの新元号を「??」として登録するレジストリ更新が発表され、.Net Framework4以降では影響を受ける可能性があります。

 

【システム改修】
自前でシステムを保持していて日付データを元号で処理している場合は、改修が必要です。これを機に、西暦データに変更することも検討すべきでしょう。
データとしては西暦で保持していても、画面や帳票上に元号表記がある場合には、西暦と元号表記との変換処理ロジックの修正が必要です。

外部システムとのインターフェースがある場合には、影響がないか確認することも必要です。
また、記号(合字)で元号を表示している場合には、文字コードによっては新元号に対応されない可能性があります。

Unicodeでは対応されますが「明治」(U+337E)~「平成」(U+337B)が連続した文字コードだったのに対して、新元号は(U+32FF)と離れた文字領域が割り当てられます。元号と記号の変換マスタの更新は必須ですが、もし連続した文字領域を想定したプログラムとなっている場合にはそのロジックも修正が必要です。

 

【運用対処】
上記のアップデートやシステム改修を2019年5月1日までに確実にすべて完了させることは難しいでしょう。
「平成」表記が残っている場合に、どのように取り扱うのか運用上での対処を事前に取り決めておくことも有用です。
「平成」表記でも有効として新元号に読み替えることを関係者に周知する等の対応が考えられます。帳票類は必要に応じて出力後に訂正する、という手段もありうるでしょう。

 

上記を踏まえ、どのような対応を、いつ実施し得るのかをご確認ください。

なお、本論とはそれますが、即位に伴う祝日、休日についても、ITシステムにおける対応が必要となる可能性がありますのでご留意ください。

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2018年08月21日 (火)

青山システムコンサルティング株式会社

十亀淳