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DX(デジタル・トランスフォーメーション)という言葉を誰でも知っている世の中になり、早くも数年経ちました。

DX が本来意味するところの「変革」「トランスフォーメーション」まで実現ができているケースばかりではないものの、世の中のデジタル化は随分と進みましたし、今時点も過去にはないスピードで進んでいます。

デジタル化が進むということは、膨大なデジタルデータが発生し、保存されていきます。
そのデジタルデータの多くは、クラウド環境に保存されます。
具体的には、以下のようなデジタルデータがクラウド環境に保存されていきます。

  • 販売管理システムで作られた取引に関するデータ
  • 取引先から受け取った受注データ(発注書の電子ファイル、EDI データ 等)
  • 取引先との契約書(電子契約をしたファイル)

デジタルデータ保存のメリット

デジタルデータでの保存は、多くのメリットがありますし、今後ますます進んでいくことでしょう。

<デジタルデータ保存のメリット>

  • 物理的な保管場所が不要になる
  • データを探しやすい
  • 紛失リスクが低減できる

    など


さて、クラウド上に保存されたデジタルデータを、別のシステムに移行することになったら・・・
皆さまは真剣に考えたことはあるでしょうか?

これまでのデータ移行

従来のデジタルデータの移行は、
・データベースのデータを移行
・ファイルを移行
といった、比較的単純な移行で済んでいました。

また、業務システムにおける旧システムから新システムへのデータ移行は、データ変換等に膨大な労力を割く必要があることが多いため、新システムにはデータ移行をせずに過去データをデータベースやファイルだけ保存しておくような手段も、よく取られています。

DX時代のデータ移行

これからのデータ移行においては、以下の点でこれまでよりも頭を悩ませることになると予測しています。

  • そもそもデータ量が従来とは比較にならないほど多い
  • インターネット経由でのデータ移行が多くなり、データ転送速度に限界がある
  • 電子帳簿保存法等で定められ、システムで付与されたタイムスタンプと一緒にデータ移行が必要になり、難易度が格段に高くなる
  • 利用中のクラウドサービスが、そもそもデータ移行に対応できる機能を持っていない(または高額な費用を要求される など)

せっかく新しいクラウドサービスや他システムに移行しようとしても、肝心なデータが移行できない・・・

このような場面に出会う機会が、これから多くなる可能性があるのではないかと危惧しています。


これから、ますますDXやデジタル化が進むことは間違いありません。
その取り組みの中で、初期費用が安価で、月額費用(サブスクリプション)で利用するクラウドサービスの利用もさらに進むでしょう。私自身、その方向性は否定するつもりもなく、むしろ推進すべきと考えています。

しかしながら、
「クラウドサービス上に保管したデータを長期的に、システムを変更してもどのように保全していくか」
という、すべての企業に当てはまる課題があることは、心に留めておく必要があります。

今後、クラウドサービスにおけるデータの移行性については議論が活発になるでしょう。私たち ITコンサルタントとしては、各クラウドサービス事業者も何らかの手段を積極的に提供してくれるようになることを、強く信じたいと思います。

 

 

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2022年01月05日 (水)

青山システムコンサルティング株式会社

野口浩之