システム開発における発注者と受注者の関係を考える

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何らかのシステムを開発する場合には、どこかのITベンダーに委託をするのが一般的です。
システム開発における発注者と受注者では、発注者が強く、受注者が弱い立場であるという考え方・価値観が当然のように受け入れられてきました。

ところが、この数年の間に、発注者と受注者の関係は、大きく変わりました。

数年前までの状況

弊社は、弊社のクライアント企業のシステム開発をお引き受けいただくITベンダーを選定する機会が多くあります。5年ほど前までは、提案依頼をしたITベンダーが提案辞退するケースは、ほとんどありませんでした。

つまり、どちらかといえば、システム開発案件(需要)がIT人材の数(供給)よりも少なく、発注者側に有利な状況が多かったといえます。

ここ数年の状況

ここ数年は弊社が関与する案件においても、提案辞退をするケースがとても増えています。
案件にもよりますが、提案依頼したITベンダー数に対して、3~5割ほどの提案辞退が発生しています。

辞退理由の多くは、以下のような内容です。
・発注者が要求するスケジュールで開発ができない
・パッケージ製品のカスタマイズが多く発生してしまい、高額な提案になってしまう
 (受注者としてもリスクが高い案件となってしまう)

以前であれば、大量に開発者を投入したり、開発のリスクが高くても、何としても受注したいという姿勢で提案をされるITベンダーが大半でした。

このような状況になっていることは、データからみても明らかです。
『IPA IT人材白書 2018』によれば、ユーザーのIT人材の”量”に対する過不足感は、以下のように変化しています。
2013年度調査 大幅に不足している 15.4%
2014年度調査 大幅に不足している 16.2%
2015年度調査 大幅に不足している 20.5%
2016年度調査 大幅に不足している 24.7%
2017年度調査 大幅に不足している 29.3%

ところが残念なことに、発注者と受注者の関係が大きく変わっていることに、気がついていない人が多いのも事実です。

気がついていないと、何が問題なのでしょうか?

発注者側が気がついていない場合の問題

発注者が優位な立場であると思い込み、強すぎる姿勢、横柄な態度、不当な要求でITベンダーと接すると、ITベンダーは離れていきます。当然ながら、必要なシステムの構築が思うようにできなくなっていきます。
以前は許容されていたコミュニケーションが、自身を苦しめる結果になることが往々にして発生します。

受注者側が気がついていない場合の問題

発注者が優位であると思い込み、条件が厳しすぎる案件ばかりに対応していると、結果としては従業員と企業そのものが疲弊していきます。
疲弊してしまっては十分な成果をあげ続けることはできず、発注者と信頼関係を築くことは難しいでしょう。

発注者と受注者の関係は、どうしてもどちらかが優位になりがちです。
しかし本来であれば、両者が手を取り合って、強い信頼関係をもって付き合っていくことが重要であるはずです。
どちらの立場においても、それを忘れずにいたいものです。

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2019年01月15日 (火)

青山システムコンサルティング株式会社

野口浩之