プロジェクトマネージャーとプロジェクトリーダーの違い | 青山システムコンサルティング株式会社

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現在私が関わっているプロジェクトの話です。

そこではあるシステムの維持管理および拡張を行っていますが、最近構成メンバーが増え、また、担当するシステムの規模も以前より大きくなりました。そこで、プロジェクトの体制図と役割分担を見直すことになりました。

ここで上がった話題が
「プロジェクトマネージャーとプロジェクトリーダーの違いは何か?」
ということです。

さて、皆さんはこれをご説明できるでしょうか?

例えば、以下は私が実務で経験した話です。
これらはプロジェクトマネージャーとプロジェクトリーダーのどちらの業務でしょうか?

実例①
プロジェクトXでは、ある課題の対応方針について複数チーム間で意見が食い違い、対立が発生していた。
Aさんは丹念に打合せを開催、主導し、最後は皆が同じ方向に向かうことに合意させることが出来た。

実例②
プロジェクトYでは、スケジュールの後半になり計画外の対応が必要であることが発覚した。
しかし、Bさんは早期にそのリスクを察知してプロジェクトオーナーと交渉し予算を確保し、対処することが出来た。

(以下、プロジェクトマネージャーはPM、プロジェクトリーダーはPLと略します)

両者の違いを説明する前に、まずは「プロジェクトあるある」です。

  • PMとPLは1人が兼任している。
  • PMはいるが、PLという役割はない。
  • PMは所属長。実際のプロジェクトは全てPLが取り仕切る。

ここから、

  • PMとPLの業務に違いはない?
  • PMがいればPLはいらない?
  • 会社の管理職がPM、プロジェクトの実務担当がPL?

とも取れますが、これらは正しいとは思えません。

「PM業務」「PL業務」は以下のように明確に定義できます。

PM業務

プロジェクト計画を策定し、プロジェクトチームの編成をします。プロジェクト立ち上げ後は、プロジェクト全体の管理・運営の責任を持ちます。

<主な管理分野>

  • 品質(計画、工程単位の評価など)
  • コスト
  • 納期
  • リスク
  • 調達(ヒト・モノ)
  • ステークホルダー(コミュニケーション、折衝)

プロジェクトが計画通り進んでいるか主にQCD面(品質/コスト/納期)を都度チェック・評価し、プロジェクトオーナーに報告します。スケジュール遅延やリスクの顕在化など問題が生じれば、その対応を指示します。また、必要に応じてプロジェクトオーナーや顧客に対して追加予算や納期延長などの交渉を行います。

PMの管理対象はプロジェクトメンバーだけではなく、ステークホルダー全員です。ステークホルダーとは、経営層、プロジェクトオーナー、ユーザーなどです。これらの面々と協力関係を築き、必要な報告/連絡を行い、調整/交渉など折衝の窓口となります。

最終的にはプロジェクト目的の達成責任を持ちます。

PL業務

PMが策定したプロジェクト計画通りにプロジェクトを実行することに責任を持ちます。

<主な管理分野>

  • 品質(詳細単位の評価、是正など)
  • タスク/スケジュール/進捗
  • トラブル回避・課題解決
  • 人材配置・環境整備
  • プロジェクトメンバー(コミュニケーション、モチベーション、育成)

PLの管理対象はプロジェクトメンバーです。いわば現場監督のような立場です。現場でプロジェクトメンバーの中心として指揮をとり、計画に沿って業務を推進します。

計画をブレイクダウンしタスク単位のスケジュール策定や要員配置を行い、それをプロジェクトメンバーに指示します。また、その進捗管理、品質管理などを主導します。スケジュール遅延や要員の体調不良などの発生に応じて、スケジュール調整や要員の再配置を行います。

トラブルや課題の解決を率先して行い、プロジェクトが円滑に進行するようにしたり、必要であればメンバーの指導や支援を行います。

 

上記実例の回答は、
①=PL業務
②=PM業務
です。

しかし、上記の「プロジェクトあるある」の通り、実際の現場ではPMとPLの役割がまちまちな場合があります。

これは、

  • PM(人)とPM業務
  • PL(人)とPL業務

が必ずしも1対1で紐づいていないからです。

プロジェクトが小規模であれば、PM業務、PL業務を一人で担うことも可能ですし、逆にプロジェクトが大規模であれば、PM業務だけでもPMOなど支援を含めた複数人で分担することもあります。

また、会社やプロジェクト毎に役割分担、文化等が異なりますので、PM、PLの定義も微妙に異なります。しかし、それは問題ではありません。

大切なのは、PM業務とPL業務の違いを理解し、それを自分のプロジェクトでは誰が担うか明確にすることです。

これらが明確に定義されていればよいのですが、そうでないプロジェクトは、まずは体制図と役割分担表の整理・見直しから始めるのが良いでしょう。

弊社参考コラム:プロジェクト体制図を正しく書いていますか?

上記の通り、PMには俯瞰的な視点が求められますので、権限・責任範囲を限定した上で、外部の要員に支援を頼む場合もあります。また、外部のITベンダーにシステム開発を発注するのであれば、発注者側の企業でもPMを立て、客観的な視点でプロジェクトを評価/方向修正していくのが望ましいでしょう。

そのようなケースにおいて、社内にPM要員がいらっしゃらなければ、弊社のプロジェクトマネジメントサービスをご活用頂ければ幸いです。

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2022年07月11日 (月)

青山システムコンサルティング株式会社

山口 晃司