SNSアカウント、安心して使えますか?

コラムカテゴリー:,

今やプライベート、ビジネスを問わず、SNSサービスの利用が当たり前になりました。利用することが当たり前であれば、その一方では当然ながら、そのSNSサービスが利用できなくなった場合の影響も大きくなります。

最近、知人から「SNSで発信した投稿が勝手に消えた」という話を聞きました。どうやら、虚偽の情報を発信しているとSNS運営会社側に判断され、いきなり削除された模様とのことでした。
また、「著作権侵害の申し立てがあった」としてアカウントが凍結された、というケースの報道もみかけました。申し立てがあれば、その真偽を確認せずにアカウントを凍結する大手サービス運営会社もあるそうです。

真偽の確認もなく、悪意をもった虚偽の申し立てをもって一方的にアカウントが凍結されることもあるとなると、安心して利用できません。
特にビジネスで利用している場合、影響は大きくなるでしょう。

現状と背景

2020年の米大統領選の際には、信憑性の低い情報や虚偽の情報が飛び交い、アカウントの凍結といった強い対応もされ、混乱を招きました。
最近では、コロナ禍での社会的な不安も大きい中、コロナ関連での様々な情報が発信され、運営会社側の判断で「虚偽」「有害」な内容として削除されることも多いようです。

問題の背景はどこにあるのでしょうか。

そもそも、虚偽情報や有害情報の削除や監視は、運営会社の対応にゆだねられているのが現状です。「言論の自由」を守るという要素もあり、日本も含め多くの国では法規制に踏み切れない状況です。

そのため、運営会社が「自主的」に対応せざるをえません。

しかし、運営会社側はその基準や対応方法を開示していなかったり、上述のように「申し立てがあれば真偽を問わずアカウントを凍結」という対応をする場合もあり、利用者からするとなかなか納得しがたい対応となっています。
もちろん、個別に案件を精査するには人手がかかるなど、運営会社側の事情もあると思われます。

想定される影響

ここでは、ビジネスでSNSサービスを利用している場合を想定しますが、SNSでの投稿が削除されたり、アカウントが凍結されたりした場合、どうなるでしょうか。また、投稿内容にいきなり警告表示がされたらどうでしょうか。

たとえば、集客の主要ツールとして利用しているSNSサービスのアカウントが、冒頭の例のようにいきなり凍結されて利用できなくなったら、当然ながら集客は大幅に落ち込むでしょう。期限を設定したキャンペーンを展開しているアカウントが凍結され復旧に時間がかかれば、影響は甚大です。

また、投稿内容に対して「誤った情報の可能性があります。」のような警告表示がされれば、信用低下につながります。

最近では、YouTubeで2億回を超える再生がされていた人気Music Videoにいきなり「一部の視聴者にとって攻撃的または不適切な内容を含んでいる」という警告が出るようになったという事例もありました。利用者側の意見を反映して適切な警告表示をすることももちろん大事ですが、Music Videoを発信する側としては急に視聴されにくくなり困惑するでしょう。
YouTubeでは、不適切なコンテンツには広告掲載の対象外にする措置が取られることもあるようなので、その場合には、直接的な経済的損失も発生しうると思われます。

ビジネスにどの程度の影響が生じるのかはケースバイケースですが、自社の状況をふまえて想定しておくことが大切です。

対応

投稿の削除や警告表示、アカウント凍結等、利用者に影響のある対応をする場合の基準を明確にすることを、運営会社側には期待したいところです。
また、その対応に不備がある場合の是正処置(削除した投稿の復活や、アカウントの凍結解除等)を要求するためのフローが整備されれば、利用者自身が運営会社に適切な対応を求めることもできるでしょう。

とはいえ、現状ではまだそこまでの対応がとれないSNSサービスが多いのが実情です。しかし、目の前のビジネスへの影響が大きいと考えられる場合には、何かしらの手立ては考えておきたいものです。

考えらえれる対応としては、以下のようなことが考えられます。

【リスク低減】

・発信する内容や、著作権・肖像権等も意識し、不適切と判断されにくい発信をする。
・こまめにSNSをチェックし、異変があれば迅速に対応できるようにする。

【リスク分散】

・アカウントを複数用意しておく。
・特定のサービスのみに依存せず、複数のサービスを利用する。

【リスク回避】

・他社の運営するSNSサービスの利用をやめる。

 

もちろんこのような対応によって運用負荷が高まったり、サービスレベルが下がることもあるので、メリット・デメリットをふまえて検討する必要があります。

参考

なお、今回ご紹介した内容は、使いたいシステムが利用できなくなるという点で、広い意味でのシステム障害ともとらえられます。
システム障害発生時に機能する対策を用意してますか?
等もご参考にしていただき、リスク評価、対策の検討にお役に立てれば幸いです。

2021年06月07日 (月)

青山システムコンサルティング株式会社

十亀淳