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近年、IT先進国のアメリカでは「攻めのIT投資」に積極的で、今なお「守りのIT投資」が多い日本とは関心領域に大きな差があります。実際に、同様の調査結果を公表した企業もあります。

日本でも積極的に「攻めのIT投資」をする企業が増えていますが、その必要性を認知しつつも一歩を踏みだせない、そんな企業もまだ多いのではないでしょうか。
そこで今回は、攻めのIT投資を始めるための重要な2つのステップについて触れたいと思います。

まず、「攻めのIT投資」と「守りのIT投資」について、当コラムでは以下のように定義します。

攻めのIT投資
・収益(プロフィット)を増やすことを目的としたIT投資

守りのIT投資
・費用(コスト)を減らすことを目的としたIT投資

例えば、新事業への進出時における新たな価値を創出するIT投資や既存ビジネスの強化により利益を拡大するIT投資は攻めのIT投資、社内業務(間接業務)の効率化や利便性の向上のためのIT投資は守りのIT投資です。

 


攻めのIT投資ステップ1 ゴール設定
収益増加の効果につながるゴールを設定する。


 

ゴールの違いが、実施計画・投資領域を大きく変えます。まずは、収益増加につながるゴールを設定することが大切です。

実際には、収益増加のゴールであっても、その実現計画には何らかの効率化施策が含まれます。守りのIT投資における効率化施策との大きな違いは、攻めのIT投資における効率化施策にはその先のステージがあることです。そのため、効率化施策と記載しましたが、正確には効率化以外の目的も兼ねるケースがほとんどです。

このモデルを、経済産業省が「置き換えステージ」「効率化ステージ」「競争力強化ステージ」の三段階ステップとして公開しています。

攻めのIT活用指針(経済産業省)
http://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dounyu_guidelines/shishin.pdf

目的毎に多少の違いはありますが、置き換えステージか効率化ステージのいずれかに「情報のデータ化」施策が含まれます。

 


攻めのIT投資ステップ2 データ化
目的達成のために必要な「情報」を選択し、「データ化」する。


 

収益増加のゴールを目指す過程では、データ分析や情報提供などの情報活用が不可欠で、その準備として情報のデータ化が必要です。
IT技術の進歩により、データ化できる情報は以前より大幅に増えました。その分、データ化すべき情報の選択は以前より難しくなっています。KPIツリーなどにより整理された目的を達成するために必要な情報は何か、どのように活用するのか、どのように収集してデータ化するか、これらを明確にすることが大切です。

初歩的なようですが、以上の2つは攻めのIT投資を始めるための重要なステップです。

ゴールは明確でしょうか?
そのゴールは収益と費用、どちらに効果をもたらすゴールでしょうか?
ゴールに必要な情報、活用方法、データ化方法は明確でしょうか?

コスト削減効果のゴールから収益増加のゴールに切り替える、これが攻めのIT投資のはじめの一歩です。

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2017年12月19日 (火)

青山システムコンサルティング株式会社

吉田勝晃