インターナルマーケティング視点でのデータ分析

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 インターナルマーケティグという言葉をご存知でしょうか?
 一般的にマーケティングというと、企業が顧客に対して行うものをイメージされると思いますが、それはエクスターナルマーケティングといいます。
 インターナルマーケティングはそれとは異なり、企業が従業員に対して行うマーケティング活動のことです。
 従業員を顧客と同様にとらえて従業員が働きやすい環境を整えることによって、仕事への誇りを持たせたり、企業への帰属意識を高めることを目的とします。そのことによって質の高いサービスが顧客に提供されて、顧客満足度を高めることになります。顧客満足度が高くなればリピーターが増え、最終的には企業の利益につながる、という考え方です。

 仮に顧客が求めるプロダクトやサービス、ソリューションを提供できるとしても、それらを顧客に提供するのは従業員です。その従業員が仕事に満足しておらず、低い意識で顧客に接しているとしたら、そのプロダクトやサービスは不完全な形でしか提供されませんし、そのためのマーケティング(エクスターナルマーケティング)の努力も台無しになってしまいます。TVや雑誌などで紹介されたショップやレストランに訪れた際に、従業員の接客態度に不満を覚えたことがあるのは、私だけではないと思います。

 インターナルマーケティングは主に商品・製品をもたないサービス業でいわれてきた考え方ですが、サービス業以外でも「サービス」という要素は含まれており、その重要度は以前よりも高まってきています。

 さて、通常のマーケティング(エクスターナルマーケティング)におけるデータ分析というと一回の購入における購買物の内容分析や、商品ごとの売れ行き状況の分析などの購買状況に関するものや、購買者の年齢層や居住地などの顧客属性に関する分析などがあげられます。自社の商品・サービスの特徴や強み・弱みを知った上で様々なマーケティングプランを計画していくわけです。
 そのような分析をインターナルマーケティングに当てはめると以下のようなことができると考えます。
 従業員の性別や年齢、扶養家族の有無などデータは、どの企業も持っています。例えば年齢別の構成状況を分析することによって、今後の採用活動の検討材料にすることもできます。独身者が多いのか既婚者が多いのか、子どもの有無といったことから、これから従業員が迎える社会的環境の変化を予測することができます。その上で必要な福利厚生や業務体制の整備していくことも可能です。
 さらに、血液型や出生地といった属性データをチームの販売状況と重ねることによって、売り上げが高いチームに意外な共通点が見出せるかもしれません。そこから売り上げを高められるチームを新たに構成することができれば、それまでは埋もれていたかもしれない従業員に活躍の場ができ、モチベーションもあがることでしょう。また人材の流出を防ぐこともつながります。

 このような情報を社内報などで公開・共有することで、各従業員は今まで以上に自分の会社や同僚に興味・関心を持つでしょう。日々の会話の話題になり、従業員同士のコミュニケーションの活性化につながっていくのではないでしょうか。社内のコミュニケーションが深まっていけば、自然と会社への帰属意識も高まっていくでしょう。また、会社が従業員のことをしっかりと気にかけているという、会社から従業員へのメッセージにもなります。

 これらの情報は、今まではあくまでも管理する対象やコストを算出する対象でしかなかったかもしれません。
 しかし、こういったデータもインターナルマーケティグの視点に立ったデータ分析を行い、その結果を積み上げていくことが、より働きやすい会社組織を作り出すこと、更には会社の利益向上につながっていくのではないでしょうか。

2012年09月19日 (水)

青山システムコンサルティング株式会社

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