情報は「発信者の思惑」を捉えながら読むと面白くなる | 青山システムコンサルティング株式会社

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「約90%が満足」という広告や、「景気悪化」という情報を見聞きしたら、皆さんはどう感じるでしょうか?

思わず「90%?それはすごい!」「不景気でみんな大変だろうなぁ」と感じてしまった方は、
もう少し視点を掘り下げることで、今までとは違った発見があるかもしれません。

というのも、世の中の“情報”は、発信者の工夫次第で如何様にも表現することができ、
何(誰)を対象として考えるかによって意味も変わってくるのです。

情報が溢れかえる今の時代、情報を正確に捉えることは基本中の基本ですが、今一度、基礎に立ち返ってみます。

【情報は如何様にも表現できる】

至るところで公開されている調査データ。例えば以下のようなものです。
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(1)使用者の約90%が“満足”と回答した製品。

(2)東京都に住む40~60代男性に対するインターネットアンケートの結果、年収1000万円以上は月2~3冊、年収500万以下では月1冊程度の本を読むことが判明した。

(3)20~40代の男女300名へのアンケートの結果、トイレをキレイにしている人と、そうでない人とでは、世帯年収に約90万円の差があることが判明した。
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(1)使用者の約90%が“満足”と回答した製品。

調査方法や対象が明記されていません。
仮に男性用スキンケア製品に対するアンケートの場合、肌の強い男性10名を対象に調査し、そのうち9名が、5段階評価のうちの5(大変満足)~4(満足)を選択したとすると、“使用者の90%が満足と回答した”と表現することが可能です。
端的な情報だけを鵜呑みにしてはいけない典型例と言えます。

(2)東京都に住む40~60代男性に対するインターネットアンケートの結果、年収1000万円以上は月2~3冊、年収500万以下では月1冊程度の本を読むことが判明した。

一見正確性があると感じますが、「インターネットアンケート」である時点で、そもそも”インターネットで回答していない”方々は調査対象に含まれていません。
また、回答者の年収も年代も、もしかすると性別も、100%正しいかどうかなど誰にもわからないのです。

(3)20~40代の男女300名へのアンケートの結果、トイレをキレイにしている人と、そうでない人とでは、
世帯年収に約90万円の差があることが判明した。

いかにも“トイレを綺麗にしたら年収が上がる“と言わんばかりですが、もし、このアンケート結果が100%正しかったとしても、「トイレを綺麗にしたら年収が上がる」のか、「年収が高い人は、普段からトイレだけでなく全てのことに気を配っている」のか、さてどちらでしょうか。

【その情報は、何(誰)を対象にしているか】

一般的に、「不景気」という言葉は悪い意味で使われます。不景気→リストラ・雇用減少等、負のイメージが強いからでしょう。

しかし、例えば「低価格をウリ」にしている企業から見ても”不景気は嫌”なのでしょうか?
不景気が続けば、多くの消費者が出費を抑え、低価格な商品を選択する機会は増えることでしょう。
「低価格をウリ」にしている企業にとっては、”景気が悪くてよかった”となります。

このように情報は、対象や捉える角度によって、180度意味を変えるのです。

さてここで皆さんに質問です。
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「離職率の低い企業と高い企業とでは、どちらが有利?」
「O型とB型の男性は、どちらが魅力的?」
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皆さんは、どのような回答を思い浮かべたでしょうか?
「誰にとって」「何について」などの“対象“が無いと、議論のしようがありませんね。

【まとめ】

これらのことから、世の中の情報というものは如何に“ケミカル(加工品)“であるかを再認識していただけたかと思います。
ケミカルである情報を正確に読み取るためには、以下の質問が役立ちます。

  • 「誰がそう言っているのか(発信元)」
  • 「どういう方法でわかったのか(調査方法)」
  • 「誰に聞いたのか(調査対象)」
  • 「隠された情報はないか(不足情報)」
  • 「言っていることが違ってはいないか(観点のすり替え)」
  • 「そもそも意味があるのか(それらしい結果→結論へのこじつけ)」

発信者の思惑を予想し、「さてはこの記事は、○○をぼかして××をアピールしようとしている?」
などと考えながら読むと、日々の情報収集が更に面白いものになります。

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2011年09月01日 (木)

青山システムコンサルティング株式会社

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