工事進行基準適用に向けての企業の心構え

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現在、各企業の関心ごとと言えば、平成20年度から施行される「内部統制報告制度」であろう。
しかし、その翌年である平成21年度からIT業界でも施行される「工事進行基準」も忘れてはいけない。

◆制度について
この制度は、国際会計基準(IAS第11号)とほぼ同じ基準にする為に「工事完成基準」ではなく「工事進行基準」で会計報告をするといった制度である。ご承知かと思うが、言わずとIT業界のほとんどの企業は「工事完成基準」である。

◆今までと異なる点は?
ここで、今までとはどう違ってくるか・・・という点が気になる。
まず、大きく変わってくる点としては、会計年度を跨ぐ仕事でも一度年度末に仕事をした分だけの売上と費用を計上しないといけないと言った点である。いわゆるプロジェクトの仕掛計上ができなくなるということだ。

では、この「工事進行基準」適用後の具体例を顧客目線で見るとどうなるか・・・

会計年度を跨ぐシステム開発を行っている場合、年度末近くになり「現在、外部設計フェーズの50%完了していますので今月末に外部設計フェーズ完了分である50%の費用を支払って下さい。(検収を下さい)」といった報告をベンダーから受けることになる。

今までであれば「工事完成基準」であったことから、外部設計フェーズの成果物である「外部設計書」等が納品された時点で外部設計フェーズの検収をし、対価を支払うというのが一般的であった。
そう、顧客からすると「何をもって外部設計フェーズの50%が完了しているのか、根拠がわからない・・・。」と言ったことがこれから起こることになる。

◆これからの企業に求められるもの
前職でSI営業をやっていた私としては、このような顧客に根拠をきちんと理解してもらうような説明や交渉がベンダーにとって一番重要ではないかと思っている。とにかく現状説明をし、顧客に納得してもらえなければ話にならないからだ。

また、この部分については適用初年度ということで、今までどれだけ顧客キーマンとの関係を強固にしているか、信頼されているか・・・という点も大きく左右するであろう。更に、どれだけ顧客満足度(CS)を向上する努力を組織単位で取り組んでいたかという点も忘れてはいけない。

顧客側の商習慣の変化も必要と思われるが、工事進行基準に対する各企業の準備体制がこの1年でどのように変化していくか・・・これからが楽しみである。

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2008年10月16日 (木)

青山システムコンサルティング株式会社

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