効果を最大限にする顧客管理とは

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 O2O(Online to Offline)、ビックデータ、ソーシャルリスニング・・・等、ビジネスシーンでは新しい言葉が次々に登場します。これらはITの急速な進展とも関係しているため、どうしても技術革新ばかりに目を奪われがちですが、こうした仕組みを利活用するためには、顧客情報を管理していることが前提となるケースが多いです。
 ネットショッピングで見かける「この商品を買った人はこんな商品も買っています」というレコメンドも、その企業が顧客情報を管理しているからこそ出来る仕組みです。

 今回は、「顧客管理」によりビジネスで効果を出すために何をすべきか、ご紹介いたします。「顧客管理」について既にご存知の方、また既にご導入されている方は、本コラムで取り上げたポイントを自社で満たしているかどうかを確かめる機会になれば幸いです。

【なぜ、いま「顧客管理」なのか?】
 現在ビジネスで大きな成果を出している企業の多くは、「顧客管理」という仕組みを効果的に活用しています。

●事例1:Google
 ・2012年3月、それまでGoogleの各サービスで持っていた情報を一本化し、1人のユーザーを1つのIDにまとめられるようにしました。
 ・2014年10月には、ユーザーが動画投稿サイト『YouTube』で視聴した動画まで、検索結果に影響するようになっています。
 ・Googleの主な収益源は広告収入であり、ユーザーに紐づく情報を広告サービスへ利用していると考えられます。2010年頃から毎年、前年比プラス約100億ドルもの売上を伸ばし続けているのは、上述した施策も要因の一つではないかと考えています。

●事例2:Amazon
 ・購入者の趣味/嗜好に合わせて抽出した商品の紹介、購入者の閲覧履歴からの商品の推奨などを『レコメンドエンジン』により自動で実施しています。
 ・2011年の売上高の約35%は、この『レコメンドエンジン』によって紹介した商品であったと言われています。

 効果的に顧客情報を利活用するためには、まず根幹の仕組みである「顧客管理」をしっかりと行う必要があります。

 ではここから「顧客管理」を効果的に活用するためのポイントを2点ご紹介させて頂きます。

【ポイント①:目的の明確化】
 なぜ顧客の情報を管理したいのでしょうか?

 顧客情報を分析する目的は何でしょうか?

 仮に顧客に関するあらゆる情報を管理出来たとしたら、その後、何を実現したいのでしょうか?

 「顧客管理」を効果的に活用するためには、まず目的の明確化が必要であり、目的を達成するための具体的な業務をイメージ出来るくらいまで明確な目的を定めておくことが望ましいです。そうすることで「顧客管理」の仕組みを使った業務を設計しやすくなりますし、何の情報をどうやって管理すべきかという手段も明確になります。

 目的が不明確だと、顧客に関する情報を収集して管理するプロセスだけが行われ、陽の目を見ることのない情報が蓄積されたり、情報を収集するプロセスが形骸化する可能性もあります。

●目的の具体例
 ・既存の顧客に対するアップセルを狙い既存の顧客へアプローチするため
 ・事業領域を横断した新たな営業プロセスを構築し売上拡大を目指すため
 ・顧客満足度向上のため、顧客のお問い合わせに即座に対応するため

【ポイント②:顧客の一意性】
 「顧客管理」において『顧客を一意に特定できること』は絶対条件となります。なぜなら、収集・管理している顧客に対して、関連する情報を紐づけることではじめて顧客情報を活用出来るからです。

 例えば、顧客と関連のない購買履歴は、単なる売れ筋情報に他なりません。『誰が』購入したかの情報があってこそ、顧客という切り口で購買履歴を分析することが出来ます。

 顧客を一意に特定出来ていないと、同一顧客の異なる情報が氾濫してしまい、収集・管理した情報を効果的に利活用しづらくなります。この場合、同一の顧客かどうかを判定する『名寄せ』という手法を使うことがあります。ただし、『名寄せ』を行う場合は、どこまでの表記揺れを同一と見なすか、どこまでの情報が一致していれば同一顧客とみなすか、など検討事項が非常に多くなるため、注意が必要です。

 顧客を一意にする情報となりうるものの主な条件としては「表記揺れが少ない」「重複しにくい」という点が挙げられます。

●顧客を一意にする情報の具体例
 ・メールアドレス
 ・電話番号
 ・住所(※)
   ※表記揺れは起きやすいため、データ入力時に工夫する、データの補正を行う、
    といった対策を行うことが望ましいです。

【補足:マイナンバーによる顧客管理はできないか?】
 マイナンバーは、法律や条例で定められた行政手続き以外で利用することはできません。
 したがって、顧客へマイナンバーの提供を求めたり、マイナンバーを含む個人情報を収集し、保管することも出来ません。
   ※参考:内閣官房 マイナンバー社会保障・税番号制度

【最後に】
 今回ご紹介した内容はどれも当たり前のことだと思われるかもしれません。当たり前のことをしっかり行うからこそ、効果を最大限にする仕組みを構築出来るため、まずは目的が明確かどうか、目的に合致した手段になっているか、見直してみてはいかがでしょうか。

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2015年08月18日 (火)

青山システムコンサルティング株式会社

高橋翼