グループウェアでの情報氾濫対策

コラムカテゴリー:

 グループウェアというキーワードでインターネットを検索すると、いろいろな種類の製品やサービスがヒットします。先日訪れたITの展示会でも、グループウェア製品がいくつか紹介されていました。

 半数以上の企業で導入されているというグループウェアですが、情報は記録されているものの、うまく活用できないという事例もあるようです。

 本稿では、グループウェアを利用していると陥りがちな情報の氾濫への対策方法に関して、電子掲示板機能を中心に考えていきます。

 ある調査結果によると、約7割の企業が、すでにグループウェアを導入しています。満足度調査では、導入企業のうち3割強で不満があるという結果になっています。
 不満の原因は、既存システムとの連携がうまくいかないことや、製品そのものの使い勝手に関するものが挙げられています。一方で、従業員への浸透率の低さや利用方法がはっきりしないことなどの運用面での要因も挙げられています。

 実際に聞いた話では、電子掲示板でスレッドが乱立して情報が氾濫してしまい、欲しい情報を探し出すために手間と時間がかかって利便性が低下し、結果的に利用率が低下することがあるようです。
 情報が氾濫している掲示板では、以下のような状況に陥ります。

  • データが分散、重複している (ひとつのデータにもかかわらず、同じ意味をあらわす複数の表現を用いて複数のデータが存在している等)
  • 重複しているデータのうち、どれが最新なのか(正しいのか)分からない
  • 必要なデータをどこに書いたか忘れてしまう

 つまり、何がどこにあるかわからないという状態です。導入当初はデータ量が少ないので、情報の検索がある程度容易でも、データ量が多くなると、検索の困難さが顕著になります。
 状況が深刻化すると、元情報と掲示板の二重入力の作業だけが慣例として続いていくということもあるようです。誰もアクセスすることのないデータをなぜか毎月入力し続ける、という悲劇になってしまいます。
 こうなってしまうと、費用をかけて、表現の揺らぎまで検索できるツールを導入するか、時間をかけて、根気よく情報と業務を再整理するか、という解決策を選ばざるを得なくなります。 どちらの解決策も、企業にとっては無駄な支出です。

 上記のような状況に陥らないためには、継続可能な運用ルールをしっかりと決めておく必要があります。運用ルールの中でも、特にデータの分類方法を決めておくことで、情報の氾濫を防止できます。

 データの分類方法を決める際には、グループウェア導入の目的を再確認します。なんのためにデータを蓄積するのか、どうしてデータを残しているのか、を考え直します。
 理由は以下のようになると推察します。

  • 現状や近い将来の情報共有のため
  • 将来、数年後に、業務知識やノウハウを参照するため
  • 特定データを長期(あるいは一定期間)保管するため

 つまり、過去に記録したデータや情報を今、タイムリーに参照することが目的です。
 言い換えると、今記録したデータは、将来、自分もしくは自分以外の誰かが見ることになります。

 では、どのような分類が考えられるでしょうか。企業や組織ごとに個別の事情が異なると思いますので、たとえば、以下の要素を考慮して分類ルールをつくってみてはいかがでしょうか。どれか一つだけで考えるのではなく、複数を組み合わせて、組織に合った分類にアレンジしてください。

・組織
 会社組織は、業務を階層構造にしている最も分かりやすいかたちです。まずは大きく、部課で階層を作ることが考えられます。組織横断のタスクフォースやプロジェクト、委員会といった分類も考えられます。

・業務のサイクル
 週ごと、月ごと、半期ごと、期ごと、年ごとなど、業務のサイクルはさまざまです。その情報がいつ必要なものなのかによって、階層化や題名の付け方を工夫できます。

・業務ID
 案件やタスクなどでIDが振られている場合は、そのIDで分類する方法も考えられます。

・既存のフォルダ構成ルール
 ファイルサーバや共有ドライブを導入されていて、フォルダ構成がはっきりとルール化されている場合は、それを基にすると利用者の理解が速くなります。

・分類できないもの
 分類ルールを定めても、どうしても当てはまらないものが出てきます。「その他」や「未分類」といったカテゴリーを設けることで、いったん分類を棚上げし、ある程度傾向が見えてきた時点で新しく分類を作成して割り振るという運用も考えられます。
 無理に既存枠に入れてしまうと、結局どこに分類したか分からなくなってしまうという事態に陥ります。
 ここで注意が必要なのは、分類できないものをそのまま放置しないことです。定期的に見直して分類しないと、分類できないものが無限増殖してしまいます。

 なお、データの分類の際には、階層化が重要な要素になります。
 企業や組織にとって重要度が高い情報に関しては、アクセスが容易で視認性のよい浅い階層に、重要度が高くない情報に関しては、ある程度深い階層に、それぞれ保存するようにします。人が認識できる情報量には限りがありますので、浅い階層に保存する情報は、ある程度絞り込む必要があります。
 製品によっては階層に制限がありますので、階層分けだけでなく、題名に階層を含めてしまう考え方もあります。

 加えて重要なことは、ルールを作るだけでなく、守ってもらえるようにすることです。
 最低限、グループウェアの全体運用ルールと併せて、分類ルールを文書化しておきます。分類ルールは見直すことが前提ですので、グループウェア上に配置して、定期的に編集していることが分かると効果的です。

 文書化した分類ルールが、グループウェアのどこに保存されているのか分からなくならないように注意するところから、ルールを作成してください。

関連サービス

2014年11月18日 (火)

青山システムコンサルティング株式会社

岩野晃久