XP対応後も必要となるOS変更対応

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2017

ついに2014年4月9日をもってWindows XPの延長サポートが終了しました。
XPを利用されていた企業の方は、この半年くらいで機器交換などされたのではないでしょうか。

 マイクロソフトではメインストリームサポート期間を最低5年間、セキュリティ更新プログラムの提供が受けられる延長サポートをさらに5年間設けています。延長サポートが終了してもパソコン自体は使えますが、OSのセキュリティ更新プログラムが提供されなくなるためにセキュリティ上のリスクが高い状態となってしまいます。

 ですから、皆さんの会社も含め、多くの企業ではセキュリティパッチが提供されなくなるOSをいつまでも使い続けることが出来ず、Windows7やWindows8などを搭載している機器への交換に踏み切っているのです。

しかし、OSのバージョンアップに対応するためには、単に機器を交換すれば良いというものではありません。社内にパソコンで使用している業務用アプリケーションがある場合は、それらのアプリケーションが新しいOSで動くかどうかの検証・改修作業が必要となり、時間とコストが多くかかります。特にVisual Basic(VB)やMS-Accessなど、Windows OSに依存する言語で作られた社内の業務アプリケーションは、Windowsのバージョンが変わる度に改修などの対応が必要となります。あるお客様先では、経理部が使用していたAccessで作られたシステムを、2,000万円以上のコストをかけてWindows7対応にしたという話をお聞きしました。

 賢くOSのバージョンアップを乗り切るにはどのようにしたら良いのでしょうか。ひとつには社内で使用している業務用アプリケーションをWEB化するという方法が考えられます。WEB化することで、サーバ側1か所の対応でよくなり、個々のパソコンに対するインストール作業などの手間が無くなるといったメリットがあります。また、OSが変わっても、旧OSと同じバージョンのブラウザを使い続けることが出来るのであれば、クライアント側では特に対応を行わなくてもよい場合が多いでしょう。もっとも、WEBブラウザがInternet ExplorerのようなWindowsに依存するブラウザである場合は、ブラウザのバージョンごとに検証や修正が必要となるので対応ブラウザの選定には十分な考慮が必要となります。

 このようにWEBブラウザに対応するアプリケーションを利用することで、クライアントパソコンのOS変更に対応することが出来ます。サーバの場合はどうでしょうか。来年2015年にはWindows Server2003の延長サポートも終了します。サーバのOS変更でもクライアントと同様の考え方、つまりOSに依存しないような環境・手法を採用することで賢くバージョンアップを乗り切ることができます。たとえば、OSに関係なく使用できる言語(ANSI〈米国国家規格局:かつてのCODASYL〉で認められたCOBOLなど)を基に設計されたシステムを使うことは賢明といえます。(言語によってはLinuxからWindowsへの移植性が低いなどのデメリットもありますが…) SAPなど一部の海外システムでは、OSに依存しない言語を独自に開発し、それをベースとしてシステムを作りあげていますので、そのようなシステムを採用するというのもひとつの案といえるかもしれません。

 また、近年多くのシステムがSaaS(ASP)で提供されるようになってきていますので、自前でシステムを持つのではなく、OS対応など手間のかかることはシステム提供会社に行わせ、自社ではWEBブラウザからSaaS(ASP)システムを利用するという方法も検討に値します。

 OSに依存する業務アプリケーションを利用している場合は、「①システムの棚卸を行い、②業務アプリケーションの更新・統廃合・WEB化を検討、③必要に応じてSaaS(ASP)の利用も視野に入れる」といった計画を立てることで、次回以降のOS変更時の時間とコストを減らすことができるはずです。これらの実行には時間が予想以上にかかります。会社規模にもよりますが、OS切替予定日の少なくとも1年以上前から計画をたてられるのがよいでしょう。

 

2014年04月10日 (木)

青山システムコンサルティング株式会社

田中純