青山システムコンサルティングのコンサルティングコラムです

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近年、テクノロジーの進歩やインフラの普及も手伝って、10年前なら想像すら出来なかったサービスが続々と産まれ、実際に生活やビジネスに活かされ始めています。

ブロックチェーンを活用した送金サービス、GPSとネットワークを活用したUber関連サービス、VR(仮想現実)を活用したゲームや動画、アトラクションなど。

ごく身近なもので言うと〇〇ペイ決済サービスもFinTech(financial technology:金融技術)の一つとして、ここ数年普及率が上がってきています。

「〇億円あげちゃうキャンペーン」など、まだ記憶に新しいでしょうか。

■人それぞれのスタンスの違い


このような身近な新サービスが始まったときに取る行動は、人によってスタンスの違いが出ます。

エベレット・M・ロジャーズが提唱する『イノベーター理論』では、Innovators(新商品やサービスを最も早く受け入れる層) から、Laggards(流行が一般化してからそれを採用、または不採用を貫く) まで、5つの区分で定義されていますが、ここではシンプルに以下の3つのスタンスに分けて考えてみます。

新商品・新サービスを

  • A . 生活やビジネスに関わる分野ならとにかく試してみる
  • B . 周りの様子を見ながら大丈夫そうなら試す
  • C . 基本的には使わない

皆さんはA、B、Cのどのスタンスに近いですか?サービスのジャンルによってスタンスが変わることもあると思います。

一般的に多いのはBでしょうか。弊社のシステムコンサルタントはAが多いように思います。職業柄、極力新技術は抑えておくべきということと、そもそも新技術が好きな人が集まっている、ということもあります。私もどちらかと言うとAかもしれません。

では先ほどの〇〇ペイの例で考えると、社外の知人ではCのスタンスを取る人も一定数いました。理由としては、

  • お金のことなので信頼している現金が一番!ポイントや還元など関係なし!
  • 決済が分散すると管理に手間が掛かるから嫌だ
  • 今特に不自由を感じていない

など。

どれも間違いではないですし、A,B,Cのどのスタンスが正解という話ではありません。

■軸を明確にすることの重要性


結果としてどのスタンスを取るべきか、ではなく、自分がその新商品、新サービスに対してとるスタンスに、自分なりの「何故そうするのか?」という「軸」を持つことで、今後も産まれ続ける新形態のサービスに上手く向き合える(無駄に情報収集で疲弊しない、かつ自分にとって有益なサービスを取りこぼさない)のではないかと考えます。

前述の、Cのスタンスを取った方の理由をそれぞれ見ていくと、

  • お金のことなので信頼している現金が一番!ポイントや還元など関係なし!

⇒少しのリスクも背負いたくない、代わりに不便さは許容する、という「軸」

  • 決済が分散すると管理に手間が掛かるから嫌だ

⇒細かい管理が苦手で、管理に労力を割きたくないので不便さは許容する、という「軸」

それぞれ自分の性格や生活習慣を考慮した「軸」により判断していると言えます。

ただ、

  • 今特に不自由を感じていない

こちらはどうでしょうか?どんなものでも新サービスには向き合わない「軸」とも言えるかもしれませんが、「上手く向き合う」の定義を「無駄に情報収集で疲弊しない、かつ自分にとって有益なサービスを取りこぼさない」と設定すると、まず自分にとって有益かどうかの判断が出来ていないように思えます。

例えばスマートフォンが出てくる前に、ガラケーに不自由さを感じていたでしょうか?

流行りに乗ってスマートフォンに変えてみたけど、もうガラケーは不自由で戻れない、という方は多いと思います。

「今特に不自由を感じていないから取り入れない」という理由の方は、出来れば一度手軽に試せるもので試してみて、その上で改めて「自分の生活習慣では特に必要無かった」と判断出来ると、「自分の軸により上手く向き合えている」と言えるのではないでしょうか。

■私の場合


因みに、私の〇〇ペイとの向き合い方はどうだったか。

出始めた当初は

「管理も煩雑になりそうだし現金無いときはカードがあるし、必要無いかもしれないけどキャッシュバックもあるし一応使ってみるか」

という考えでそこまで期待していませんでしたが、いざ使ってみると、

普段使っているビジネスリュックから財布を出すことが実はすごく不便だった

という思わぬ点に気付き、結果として私の〇〇ペイから受ける恩恵として一番大きかったのは

リュックを背負ったままポケットからスマートフォンを出すだけで支払いできる

という、使ってみるまでは気が付かなかった不便さの解消でした。

煩雑になりそうなイメージだった管理の面でも、主要な〇〇ペイをいくつか使い分けていますが、メインのクレジットカードに請求をまとめているので特別手間も増えませんでした。

ただし、あくまでも私個人の生活習慣には合っていた、というだけですので、「〇〇ペイは絶対使うべき!」ということではありません。

■まとめ


以上、新形態のサービスが続々と産まれ便利になる反面、情報過多なこの時代に

  • どうやって自分なりに新形態のサービスに上手く向き合うか
  • A , B , C どのスタンスの方でも、それぞれ自分の「軸」を意識してみてはどうか

というお話でしたが、これは個人としてのお話です。

ビジネスシーンにおいては、B以上、できればAのスタンスで、新形態のサービスが自社の事業にどう活かせるか出来る限りアンテナを張り、リスクを許容できるのであればまずは取り入れてみる、というスタンスを取ることを心掛け、企業としての機会損失は避けたいものです。

とは言っても、最新技術の動向を押さえることに特化する人材を配置する、というのも、IT関連企業でも無い限りはなかなか難しい話です。

そんな時は、お付き合いのあるITコンサルティング会社などにお声掛け頂き、自社のビジネスに活かせる最新技術の動向を定期的に聞く機会を設けることをおすすめ致します。(もちろん弊社でもお力添え致します)

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2020年04月13日 (月)

青山システムコンサルティング株式会社

田中直