ITによる将棋の面白さの進化

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小学校から将棋を始めて、現在はアマ四段でもある将棋ファンの私にとって、8月20日に藤井聡太さんが最年少二冠の記録を更新したことが嬉しいニュースでした。
藤井聡太二冠は、2016年に14歳という若さでのプロデビューとプロデビュー後の29連勝で将棋界の話題を作りました。
藤井聡太二冠のような話題性のもった人物の登場による一時的な過熱ではなく、継続的に将棋人口が増えてほしいと願っています。

将棋人口の増加という点で、先日の王位戦を視聴していた私が着目したのは将棋ソフトによって「評価値(形勢を点数化した値)」と「次の候補手」を可視化していた点です。
2017年の第2期電王戦で将棋ソフト「Ponanza」が当時の現役名人である佐藤天彦さんと2戦2勝したことは、将棋ソフトの方が人間より強いことを世の中の共通認識にした出来事だと思います。
最近ではプロ棋士も将棋の研究で将棋ソフトを利用している人が増えてきているようで、藤井聡太二冠もその一人です。
強い人から教わるのは自然なことで、将棋ソフトの強化が将棋の研究に使われるのは既定路線であると言えます。

しかし、将棋ソフトの強化は「上級者」に対しての利用だけでなく「初心者」にこそ訴求できると考えています。
形勢判断と次の候補手の正確さによって、将棋を知らない人でも「終盤のスリル」が感じられるようになったことがその一つです。
既に詰みが確定している局面(正確に指せば勝つことが確定している局面)でも、将棋のルール上は指せるような候補手を将棋ソフトが視聴者に提示します。
そして、その間違った手を指してしまうと形勢が逆転することが分かる「評価値」を一緒に提示します。
藤井聡太棋聖がさらに王位を取得できるのか、という大事な局面で「間違えたら大逆転になってしまう」というのを初心者にも分かるように、将棋ソフトが活用されていると感じました。

今後、ITの進化・活用によって、将棋がより魅力的になることを願っています。
例えば、VRと5Gで期待されている触覚伝送によって、オンラインでもよりリアルに近い対局が行えるようになることは容易に想像できます。
また、棋士の体力とも言える脳の疲労が可視化され、将棋ファンの中でも話題になる昼食やおやつによって、体力が回復する様子が見えるようになっても面白いのではないでしょうか。

2020年09月14日 (月)

青山システムコンサルティング株式会社

久保田一樹