「挑戦」と「競争の戦略」

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歳を重ねると、新しい取り組みに対して、腰が重くなりがちです。
なぜ腰が重くなるのか?
それは既に自分がするべきことが山積みになっており、
どれかを棄てなければ、新しいことに取り組む時間を捻出できないからです。
「するべきこと」とは、仕事であったり、自己研鑽であったり、
人間関係の構築であったり、もしくは、
これらを実施するために英気を養う時間だったり、
実施することで何らかの利益が想定できるものかと思います。
そうなると「するべきこと」を棄てるということは、
その利益を棄てることと同義です。

「獲得できる利益を棄てる」という心の葛藤は、
自我の中で行われる熾烈な争いを避けられません。
そしてそれは、自ら選択して挑む戦いになりますので、まさに挑戦です。
すなわち、何か新しいものを手に入れるためには、
自分の中の既得権益に対して挑戦をする必要がある。ということです。

さて、話を大きく変えて、戦略とは何か。
戦略が必要になるのは、何かに勝ちたいときです。
マイケル・ポーター曰く
「戦略の本質は、しないことを選択すること」です。
これは、「既得以外を含む」という点で上記と異なりますが、
棄てるものを選択するという点においては共通です。

これは非常に興味深いことです。
「新しいことに取り組むとき」と「何かに勝ちたいとき」には、
いずれも何かを棄てる必要があります。
新しいことに挑戦し、何をやっても勝っている状態の人は、
キラキラと輝いて魅力的に見えます。
つまり、上手に棄てられる人は魅力的ということです。

私は本コラムの最初に年齢を言い訳にしてしまいましたが、
腰が重い本当の理由は、私が上手に棄てられない人間だからです。
ひとつひとつ意を決して棄てる覚悟を持つ時間が無ければ、
どんどん抱え込んでしまう性格だからです。
本当に大事なものを見極めて、上手に棄てられるようになり、
魅力的な人間になる。そう心がけて生きていきたいと思っています。

 
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2022年05月23日 (月)
青山システムコンサルティング株式会社
長谷川 智紀