スポーツ業界のDX ~身近なDX事例を探す~

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記事の執筆

田中 直
田中 直

田中 直

前職ではシステム改善・開発の提案から要件定義、設計、プログラミング、試験、運用サポートまで、プロジェクトの全工程に従事していたが、より上流工程に特化してクライアントへ直接的に貢献したいとの思いから、ASCへ入社する。ASC入社後は、前職での豊富なシステム開発経験・知識に加えて中小企業診断士としての知見を活かし、経営的な視点も踏まえたシステムコンサルタントとして活躍している。

DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉が世に出て久しいですが、スポーツ業界にもDXを感じさせる技術やサービスが増えてきています。先日開催された東京オリンピック・パラリンピック2020でも、各所に今後DX推進を後押しできそうな技術が導入されていました。以下に一例を挙げます。

混雑状況のモニタリング

新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、選手村居住棟の入り口やスタジアム・駐車場などの混雑状況をモニタリングでき、専用アプリで離れた場所からでも混雑状況の確認が可能。収容能力に迫ったり到達したりするとリアルタイムで警告を発令。

スタッフの体調管理

耳に装着するデバイスでスタッフの体温や心拍数を計測し、クラウドベースのシステムと連携することで、そのデータを基に熱中症のリスクを算出。リスクが高まっているスタッフにはアラートをスマートフォンへ自動的に配信。

各競技のデータ解析による戦略

各チームの戦略につながるためあまり公開されていませんが、例えば柔道では、対戦相手がこれまでの試合でかけた技と、どちらの手で道着のどこを持ってどの方向に技をかけたのか、試合開始から何分くらいでどんな技を出す傾向があるか、などもデータ化し、戦略を立てるのに活用していたとのこと。

またスポーツ業界のDXとして、私自身が最近始めたランニングにまつわる事例もご紹介致します。

シューズフィッティングのAI化

<経験則によるフィッティング(属人化)から、大量データの分析によるフィッティング(標準化)へ>

私はランニングを始めるにあたり、某シューズメーカーの旗艦店に直接行き、メーカーの最新計測器とアプリによるフィッティングをして頂きました。
その結果、過去に店員さんの経験則からおすすめされていたサイズより、ワンサイズ大きめの方が合っているという結果となり、データを盲信してしまうITっ子の私は、迷うことなく人を信じずAIのおすすめを選択・購入しました。

ランニングアプリ

ランニングアプリも様々なものが出ていますが、大きくは以下のような機能により利便性が増し、社会活動やビジネスへとつながる動きになっていると感じます。

  • 走行記録、コーチング機能

従来の、時計での目測と手動による走行記録やペース算出から、GPS(位置情報)や標高なども含めた自動走行記録・ペース算出はもとより、スマートウォッチとの連動による心拍数や走りの質・呼吸数などからトレーニング強度・疲労具合を算出しおすすめのトレーニングを提案。

  • コミュニティ機能

従来の、対面でのランニングコミュニティからオンラインでのランニングコミュニティへ。オンラインマラソンの実現へと繋がっている。

  • シューズ経年劣化記録機能(による販促)

従来の、来店客へのDM・メールなどでの販促から、アプリ内でのシューズの経年劣化記録による買い替えの提案・ランニングスタイルに合ったシューズをお勧めし、販促へと繋がっている。

 

今回ご紹介した事例はあくまでも一例ですが、「DXとは何をすれば良いのか?」とお悩みの方が多く、弊社へのお問い合わせも増えております。スポーツ業界に限らず、身近なところでのDX事例を意識して探してみることで、自社でDXに取り組む方向性を探るヒントとなるかもしれません。

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2021年10月18日 (月)
青山システムコンサルティング株式会社
田中直