そのシステムは“使えない”のか、“使えていない”のか?

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記事の執筆

近藤 直樹
近藤 直樹

近藤 直樹

準大手物流企業のIT部門に10年以上在籍し、ITインフラの保守・運用から、IT戦略、個別システム化計画の立案など幅広い業務と数々のプロジェクトを経験。また、営業部門にも籍を置きながら、DX推進のために事業とITの橋渡し役を担う。 青山システムコンサルティングに入社後は、それらの豊富な経験を活かし、クライアントにとって最適な伴走者であることをモットーにコンサルティングにあたっている。

「このシステム、使い勝手が悪いんだよね。」このような声をよく耳にします。せっかく高価なシステムを導入しても、結局、部門共用のスプレッドシートや、各担当者のExcelなどに頼った運用になってしまうケースは少なくありません。結果として、業務は煩雑となり、システムを使っていることのメリットを見い出せないまま、「やっぱりこのシステムは現場には合わなかった」と結論づけてしまってはいないでしょうか。

しかし、本当にそのシステムは“使えない”のでしょうか?もしかすると、“使えていない”だけ、ということはないでしょうか?

より良いシステムを求めてインターネットや展示会で情報収集を始めると、魅力的な製品が目に留まります。現在利用しているシステムに不満があれば、「今のシステムよりもこっちの方が良さそうだ」と別なものに目が行きがちになるのも無理はありません。クラウドサービスの普及により、昔に比べるとシステム構築にかかる手間は軽減されました。製品の多様化も進み、新しいシステムへの乗り換えは、以前よりも身近で現実的な選択肢となっているのも確かです。

しかし、もし今のシステムが“使えない”のではなく、“使えていない”のだとしたら、乗り換えという選択肢は適切だと言えるでしょうか?例えば、以下のような状況に心当たりはありませんか?

  • 前任者から教えてもらった使い方のまま使い続けている
  • マスタ登録やデータの入力ルールが曖昧で、きちんと統一されていない
  • マニュアルやメーカーサポートを利用していない、もしくはその存在を知らない
  • 機能追加やアップデートの内容を把握していない
  • 実は基本的な機能についての理解も怪しい・・・

これらの状況に心当たりがある場合、システムそのものに問題があるというより、運用方法や習熟度の問題である可能性があります。

「よくわからないからいっそゼロから作り直したい」という気持ちもわからなくはありません。その方が簡単なような気もします。しかし、運用や習熟度の問題であれば、新たなシステムを導入したとしても、結局同じ轍を踏むことになりかねません。むしろ、時間と費用をかけて新たなシステムに乗り換えるよりは、今のシステムを“使いこなす”ための改善に取り組む方が、より効率的な解決策になりえます。

まずは、現在使っているシステムのことを、メーカーサポートの活用や、社内勉強会の開催などで、今一度よく知ることから始めてみてはどうでしょうか?日頃感じている使いづらさも、実はちょっとした工夫や見直しで、解決できるものかもしれません。

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2025年08月18日 (月)
青山システムコンサルティング株式会社
近藤直樹