人を動かすには工夫がいる

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他人に対して「こうして欲しい」「こうなってくれたらいいのに」などと思ったことは誰にでもあると思います。ビジネスシーンでは、顧客をはじめとする取引先や、社内の上司・同僚・部下に対してそうした感情を抱く場面に多々遭遇します。

しかしながら、他人の行動や考え方をいきなり変えることはとても難しいものです。たとえその人にメリットがあっても無理やりコントロールしようとすれば、反感を生み、離れていってしまう恐れがあります。“上司から部下”という関係性ならまだ何とかなるかもしれませんが、その逆や立場が対等な場合、ましてや対顧客ともなれば、強い強制力によって動かすことはほぼ不可能です。こちらの望む行動を自発的に取ってもらうには、その人自身がそのことに腑に落ちてもらう必要があります。それには優しい説得を時間と根気をかけて続けていくことに加え、様々な工夫もまた必要です。

私が毎日買い物をするスーパーで最近行われていることは、そんな工夫のひとつのように感じています。どうも店側は買い物客に対してキャッシュレス決済に移行して欲しいと考えているようで、兼ねてから行ってきたPR活動に加え、新たな取り組みを始めました。

セルフレジエリアの入口にはいつも長い列ができていますが、最近キャッシュレス専用レジと、現金決済も可能なレジの2種類に分かれるようになりました。現金決済可能なレジは埋まっているのに、キャッシュレス専用レジが空いている状況が発生しています。店員さんの誘導により、キャッシュレス決済ができる買い物客は、列に並ぶ他の買い物客を横目に会計に進むことができます。

これによって買い物客がキャッシュレス決済を利用するようになるのは、「キャッシュレス決済」というよりは、「並ばなくて済むこと」のメリットに対しての結果かもしれません。しかし、店側が推す決済サービスを使えば、買い物の度にポイントが得られたり、時々キャンペーンもあったりするので、結果的に「キャッシュレス決済」自体によるメリットもあります。

この取り組みによってキャッシュレス決済の利用を始める買い物客が増えるのか、はたまた無理やりなコントロールと捉えられて現金決済可能なレジが混み続けるのか、今後の混雑状況を少し注意深く観察してみようと思います。

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2023年04月17日 (月)
青山システムコンサルティング株式会社
近藤直樹