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2015年に出版した
『業務効率UP+収益力UP 中小企業のシステム改革』幻冬舎 (2015/9/18) より
書籍内のコンテンツをタイトルごとに公開いたします。

コンテンツの最後に、コンサルタントのコメントを追加しておりますので、合わせてご覧ください。


P.80~

第2章 場当たり的なシステム改修は、お金と業務の「ムダ」しか生み出さない

ベンダーの売りたいシステムとユーザーが必要とするシステムはズレている

当たり前のことですが、ITベンダーは最新の製品や技術をすすめようとします。それは最新製品のほうが、価格が高いこともありますが、彼ら自身が無邪気に最新の機能のほうが良いものであると考えているからです。

技術者(システムエンジニア)は、それが良いと思うからこそ、いろいろな機能を付け加えてバージョンアップするのですし、新技術の開発に夢中になるのです。

ところが、最新の製品というものは、ユーザー企業にとっては、必ずしも最良の製品とは言えないのです。実際に、パソコンやスマホを使っている人はよくご存じでしょう。OSがバージョンアップして新機能が付加されたからといって、その新機能を使っている方はどれくらいいるでしょうか。

Windowsに至っては、XPからVISTA、7とOSがバージョンアップしても、何がどう変わったのかわかっていない人も多いでしょう。いまだにXPで十分だったと言っている人もいます。iPhoneにしても、OSがバージョンアップするたびに新機能が増えているようですが、理解している人も活用している人も少ないでしょう。電話とメールとウェブ閲覧だけであれば、古い世代のiPhoneのままでもよいはずです。

つまり、製品開発を担当するITベンダーの技術者と、ユーザー企業におけるシステムのユーザーとは、そもそもの視点が異なるのです。そして、しばしば揶揄されるように、日常会話の言語すらも異なることがあります。

ですから、ITベンダーと契約するときには、契約前に、必ずサポートを担当してくれる技術者(システムエンジニア)と会っておいたほうがよいでしょう。

ITシステムは、ベンダーのサポートがなければ使いこなすことのできないシステムです。

契約から実際の導入までに1年以上かかることもありますし、その間、ベンダーの担当者とは何度も打ち合わせを重ねなければなりません。

そして、ベンダーの技術者の中には、ときどきユーザーとのコミュニケーションがあまり上手でない方もいます。そのような方は、技術者としては優秀なのですが、ユーザー目線で物事を見ることが得意でないのです。

元SEで、現在は大学の研究者になっている岡嶋裕史准教授は、著書の中で、開発者とユーザーとの齟齬について、次のように書いています。

「情報システムに不満を抱いている人は多い。業務として使うもの、プライベートで使うもの、自社内で使うもの、他社が提供するもの、分類はいろいろあるが、おしなべて使いにくい。(中略)要するに、技術者の作りたいものと、顧客の欲しいものが合致していないのである。」(岡嶋裕史『ウチのシステムはなぜ使えない SEとユーザの失敗学』光文社)

ベンダーの担当者とのコミュニケーションがうまくいかないと、期待していたようなものができあがりません。そこでお互いに相手のせいにしてしまうと、訴訟などのトラブルのもとになります。ですから、契約前にサポートを担当してくれる技術者と会って、技術者の垣根を越えてユーザーの言いたいことを理解してくれる人かどうか、必ず評価検討を行うようにしましょう。

ITコンサルタントのコメント(2022年5月9日)

文中にある「製品開発を担当するITベンダーの技術者と、ユーザー企業におけるシステムのユーザーとは、そもそもの視点が異なる」「技術者の作りたいものと、顧客の欲しいものが合致していない」ということは、いつの時代でも変わりありません。
なかなか利用者にとって最適なシステムは手に入りにくいものです。

利用者 = システム開発者
にならない限り、このギャップはなくならないのでしょうが、少しは好転してきている部分もあるかもしれません。

例えば、クラウドサービスとして提供されているシステムは、
「良くできているな」
と思うサービスも少なくありません。

これは、ユーザーからのフィードバック(アンケートやお問い合わせフォーム、チャットなど)を受け、サービスに継続的に、頻繁に改善を加えていくプロセスが機能しているからといえます。

一方で、各企業独自のシステムについては、内製化する動きも増えています。
内製化されたシステムは利用者とシステム開発社の距離が近いので、利用者にとって最適なシステムを開発しやすい環境であるといえます。

もしシステム開発をベンダーに委託するのであれば、やはり担当するプロジェクトマネージャー(PM)やエンジニア(SE)は極めて重要です。
どの会社、どの製品を選択するかも重要であるのはもちろんですが、「誰が」の視点はくれぐれも忘れないようにしましょう。

2022年04月19日 (火)

青山システムコンサルティング株式会社

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業務効率UP+収益力UP 中小企業のシステム改革一覧
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システム計画策定の手順
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「戦略性」「業務合理性」「技術適合性」「コスト適切性」の4点から課題を洗い出す
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企業にはITシステムの知識と経験を持った人材がいない
どんなに良いシステムでも10年以上は使い続けられない
システム導入前にユーザーニーズを把握しないと失敗する
新技術は高価なわりに障害だらけ
ベンダーの売りたいシステムとユーザーが必要とするシステムはズレている
ベンダーは高いシステムを売りたがる
システム屋の言い値で導入費用が割高になる
場当たり的なシステム改修で運用に耐えられないシステムになる
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