青山システムコンサルティングのコンサルティングコラムです

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2015年に出版した
『業務効率UP+収益力UP 中小企業のシステム改革』幻冬舎 (2015/9/18) より
書籍内のコンテンツをタイトルごとに公開いたします。

コンテンツの最後に、コンサルタントのコメントを追加しておりますので、合わせてご覧ください。


P.59~ 

第2章 場当たり的なシステム改修は、お金と業務の「ムダ」しか生み出さない

システム屋の言い値で導入費用が割高になる

ITシステムを導入しようとするとき、多くの企業がまず頼るのはシステムインテグレーター(System Integrator)、通称SIer(エスアイヤー)でしょう。大手企業になればなるほど、SIerに任せれば全部うまくいくと勘違いしています。

しかし、システムインテグレーターとは、建設業界で言うところのゼネコン(General
Contractor:元請業者)でしかありません。たしかに、要件定義から、設計、開発、運用、
保守、管理までのすべてを請け負ってはくれますが、実際の仕事はそれぞれの専門会社にほぼ委託しています。

図にすると、図表2のようになります。

SIerは、契約窓口となって大規模なシステム開発の取りまとめをしてくれますが、実際の作業を行っているのは、それぞれいちばん下に位置する下請け業者です。

ハードウェアの場合はそれを製造するメーカー、パッケージソフトの場合はソフトを開発・販売するベンダーがあります。システム・ベンダーの下には、さらに下請けの開発メーカーなどがあることもあります。

パッケージソフトではなく、ゼロから作る場合にはソフト開発会社が外注を受けますが、ソフトの開発には人力がいるので二次請け、三次請けの開発会社の協力を得ることもあります。

ネットワーク工事に関しても同様です。
私たちシステムコンサルティング会社も、SIerに委託されて、コンサルティングを担当することもあります。

建設業界におけるゼネコンの例からもわかるように、SIerに頼むと、本来の開発費よりもより多額の費用がかかってしまいます。SIerが自分たちの取り分をしっかりと請求するからです。

もちろん、SIerの仕事である取りまとめは、それなりに手間のかかる仕事なので、それはいいのですが、もしもシステム導入費用は高すぎると感じている方がいるとしたら、このような構造のためだと理解してください。

そして、もしもユーザー企業のシステム担当者がしっかりと勉強して、ITの知識を身につけて、自社でそれぞれの業者を管理して契約できるのであれば、システムの導入費用はかなり安くなることは言うまでもありません。

ケースバイケースですが、SIerはプロジェクト管理費として、だいたい2〜3割のグロスマージンを取っていると言われています。

よく、IT業界におけるプログラマーの待遇の悪さが問題になることがあるように、三次請け、四次請けの開発会社は微々たる収入しかもらっていないのです。彼らと直接契約できるのであれば、倍の金額を出してもおつりが返ってくることでしょう。

では、なぜユーザー企業の担当者は、SIerへの丸投げを好んで行うのでしょうか。その理由はいくつか考えられます。

第一に、IT知識が少なくて、自分では管理しきれないと脅えてしまうことです。
ITシステムの導入は企業にとって一大プロジェクトですから、失敗は許されないと、守りに入ってしまうのです。SIerに管理と契約を丸投げした場合には、何かトラブルがあったときにはSIerの責任になりますから、自分自身を守ることができます。

第二に、SIerに支払うお金は、会社のお金であって、担当者個人の懐は痛まないからです。

もちろん経営者自身がシステム導入を担当していたり、あるいは経営者でなくても経営に参画している人が担当者だったりすれば、このような不義理は起こりにくいです。しかし、残念ながら多くの中小企業において、IT投資は軽視されていて、専任の担当者すらいないことが多いのです。

それでは、SIerに任せることは仕方のないことなのでしょうか。
私たちはそうは思いません。

実際に、建設業界では、コンストラクションマネジメントといって、ゼネコンを通さずに専門外注の管理を自社で行い、コストを削減する手法が増えてきています。担当者の手間はかかることになりますが、不況が長く続いたため、企業もなりふりをかまっていられなくなったのです。

もちろん、ユーザー企業の担当者だけでは、業界の知識が圧倒的に不足して、ろくに外注先を見つけることもできないでしょう。そのため、コンストラクションマネジメント会社といって、ゼネコンに代わって外注管理や見積もり交渉を行う企業も出てきました。ビジネスとしては当然の事態でしょう。

コンストラクションマネジメント会社とゼネコンとの違いは、前者は契約の窓口にはならないので、あくまでも業者の選定と契約の責任がユーザー企業に残ることです。その代わり、コンストラクションマネジメント会社が得る成功報酬も、削減費用の10〜20%と、わずかなものとなっています。

建設業界だけでなく、マンション管理業界でも同様の動きが出ています。そして、私たちも、システムコンサルティング会社として、ITシステムにおけるコンストラクションマネジメント業務に取り組んでいます。

実際に、SIerを使った場合に比べて、私たちがどの程度、予算を削減したかを見てみましょう(図表4)。図の左側が、当初SIerが示した予算であり、右側が、代わりに私たちがコンストラクションマネジメント(仲介)に入ったときの予算です。当初は約6億5900万円の見積もりが、追加機能の開発とイントラネットシステムの新規開発費用を含めても約5億9200万円と、合計で約6700万円も下がったことが見て取れます。


ITコンサルタントのコメント(2022年3月24日)

SIerに投げてしまう原因として2つ述べていますが、要約すると担当者が責任を取りたくない、もしくは責任感がないということです。
しかし、担当者自身が「自分が責任を持つ」という意識を持つということはとても難しいことであり、
IT導入のプロジェクトに限らずビジネスを行う上で大きな問題点です。

IT導入を行う上でこの大きな問題にどのように向き合うか、大事なのは経営者の関与です。
経営者がITの知識や経験を持っているに越したことはありませんが、それよりも経営者が直接プロジェクトに関与することが重要です。
具体的には、担当者に任せきりにするのではなく、担当者と並走する形で進捗や課題を常に把握し、場合によっては一緒に検討します。
経営者がそのプロジェクトにどれだけ関心があるのかを担当者へ伝え、一緒に推進することがこの問題の解決の第一歩です。

また、弊社のようなITコンサルティング会社が間に入ることによる効果として費用の削減を記載していますが、効果はそれだけではありません。
知識と経験を持って中立の立場として参画することは、ユーザー/ベンダーの双方にメリットがあります。
以下のような調整や作業を弊社が行うことで、システム品質の向上や手戻りなどによるプロジェクトの遅延を未然に防ぎます。
・第三者としてユーザーとベンダーと共に要件の検討を行うことで、抜け漏れを防ぐ
・提案書や見積書を確認し、不備や認識齟齬がありそうなところをベンダーへ指摘する
・ベンダーに代わりユーザー側でやるべきことを伝える(ベンダーに丸投げしない)

法律や会計等の業務を弁護士や会計士等の専門家に任せるのと同じように、
システム投資を行う場合は弊社のようなシステムの専門家と協力してプロジェクトを進めることをお勧めします。

2022年03月25日 (金)

青山システムコンサルティング株式会社

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