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2015年に出版した
『業務効率UP+収益力UP 中小企業のシステム改革』幻冬舎 (2015/9/18) より
書籍内のコンテンツをタイトルごとに公開いたします。

コンテンツの最後に、コンサルタントのコメントを追加しておりますので、合わせてご覧ください。


P.56~ 

第2章 場当たり的なシステム改修は、
       お金と業務の「ムダ」しか生み出さない

システム設計ミスで数千万円のムダなコストがかかることも

ITシステムをうまく活用できないと、業務にムダが生まれるだけでなく、ムダな経費(コスト)もかさんでしまいます。

たとえば、とある会社では業務効率の改善を目指して、たびたび組織変更を行っていました。ところが、システムが柔軟な組織変更に対応していなかったために、そのたびにシステム・ベンダーに頼んで、システムの変更を行っていたそうです。もちろん莫大なコストがかかっていました。

本来であれば、たびたび組織変更を行う会社であることは、初めからわかっているのだから、多少お金がかかっても、最初から組織変更に対応したシステムを作っておくべきです。あるいは、組織変更をしても、システムを変更する必要がないような構造にしておく手もあるでしょう。

いずれにせよ、システムの構築の目的が、業務効率の改善とそれによるコストダウンにあることをきちんと理解していれば、このようなムダは生まれないはずです。

また、最初にシステムをきちんと設計しなかったために、カスタマイズや改修に膨大なコストがかかってしまったという例もよく聞きます。

8000万円をかけて導入したシステムなのに、5年後にまた8000万円をかけてバージョンアップをしなければならなかったという例も見聞きしました。結局、投資総額は1億6000万円になって、当初の予算額を大幅に超えてしまいました。

ITシステムをめぐって、ユーザー企業とベンダー企業との間に訴訟が起きる場合は、たいていはこの予算と納期をめぐっての争いです。

当初の計画よりも予算がかさみ、納期が遅れたことに対して、ユーザー企業が損害賠償を要求するのですが、ベンダー企業にもそれなりの言い分があって、なかなか決着がつきません。私たちに言わせれば、訴訟の原因は双方のコミュニケーション不足です。ユーザー企業には、きちんとITシステムを導入できるだけの知識が不足していますし、ベンダー企業には、それを指摘して改善指導するだけのコミュニケーション力が欠けています。結果として、ユーザー企業が望まないようなシステムができてしまって、改修にコストと時間がかかるのです。

そもそも、ITシステムの導入には何千万円という経費(コスト)がかかります。それを効果的に活用できないというだけで、膨大な金額のコストがムダになっていることは明らかです。

ITシステムに対する投資は、その投資額を回収(リクープ)して、さらにそれを上回るだけの業務効率の改善がなされなければ、成功だったとは言えません。はたして、皆さんの会社のITシステムは、その投資額を上回る効果を生み出していると言えるでしょうか。

このように述べてくると、ITシステムなどそもそも導入しないほうがいいのではないかと考える人が出てきそうです。

それは大きな間違いです。きちんと構築されて、十分に活用されたITシステムは、何千万円もの投資額以上の効果を必ず生み出します。

最もわかりやすいのは人件費での計算でしょう。

システムがないときは、年収500万円の人を4人雇って働かせなければ回らなかった業務が、システムが存在することによって業務効率が高まり、その4人がまったく必要なくなることがあります。これだけで、1年間で2000万円のコスト削減効果があったことになります。5年間に換算すれば、1億円のコストダウンですし、10年間そのシステムを使い続けるとしたら、2億円の効果があったことになります。

もちろん、実際にはシステムを導入したからといって、人員を減らすことはほとんどないでしょう。

しかし、それまで行っていた業務が必要なくなれば、年収500万円の社員4人分の頭と手を、別の業務に使えるようになるわけです。それによって新たな売上が上がれば、社員を削減するよりもさらに大きな経済効果が上がるかもしれません。


ITコンサルタントのコメント(2022年3月16日)

ここで言いたいことは、
「システムを導入する際は、問題解決に直結する「機能面」にばかり注意が行きがちですが、システムを運用していく中で想定しておいた方が良いこと、ここでは「定期的な改修」を例に上げておりますが、「非機能面」もきちんと設計時に検討する必要がある。」
ということです。

ただ、この「非機能面」をどこまで考慮するかというのはとても難しい問題です。
本文に出てきた「度々組織変更を行っている会社」の例で考えますと、度々変更が必要な個所をマスタとして外部から差し込めるようにしておくことや、人事システムとの連携を取り、日次で自動更新ができるようにしておくなどの対応が考えられます。しかし、「度々変更が必要な個所」というのが、メンバー変更なのか、部署名変更なのか、部署の追加・削除なのか、はたまた組織階層の数や役職の階数から変更することがあるのかなど、いろいろなケースが考えられます。

では、すべてのケースを洗い出し、すべてに対応できるようにすべきなのかと言えば、それはそれで、以下のようなデメリットもあります。

  • マスタ設定などが膨大になり、メンテナンスに膨大な工数がかかる
  • メンテナンスに対応可能な人材も限られてきて、属人化してしまう
  • あらゆるケースに対応できるようにと作りこみ過ぎたがために、周辺機能の改修時に影響を受けやすくなり、改修工数が増える
  • 利用するかもわからない機能まで念のためと作り初期費用がかかったが、全然利用されない

ではどうすれば良いのか?本文にもある通り「双方のコミュニケーション」が大切となってきます。
システムで解決したい問題だけでなく、そのシステムを実際にどの様に運用していくのかを知っているのはユーザー企業だけです。設計のメリットやデメリットを適切に把握し、想定される懸念を知っているのがベンダー企業の強みです。双方が十分なコミュニケーションを行い、チームとして機能すれば上記の問題は解決できます。
ユーザー企業もベンダー企業もお互いに無いものを補うために手を取り合っているはずです。是非お互いの強みを活かし、有用なシステムが構築されることを願います。

2022年03月16日 (水)

青山システムコンサルティング株式会社

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