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2015年に出版した
『業務効率UP+収益力UP 中小企業のシステム改革』幻冬舎 (2015/9/18) より
書籍内のコンテンツをタイトルごとに公開いたします。

コンテンツの最後に、コンサルタントのコメントを追加しておりますので、合わせてご覧ください。


P.29~

第1章 ソフト更新、業務フロー変更 ── 絶え間なく見直しを迫られる社内システム

2000年問題でITシステム見直しのサイクルが加速

現在、ITシステムといえば、WindowsやUNIXなどのオープンシステム・サーバーを使ったオープンシステム、あるいはクラウドサービス事業者から提供されるシステムなどが主流になってきています。どちらも、一般に市販されている汎用ハードウェアに、パッケージ・システムと呼ばれる汎用ソフトウェアを組み合わせたものです。

しかし、かつてのITシステムはそうではありませんでした。ハードウェアそのものが各メーカー独自の規格であり、中に組み込まれるソフトウェア(システム)も、ハードウェアに合わせてオーダーメイドで開発されるものでした。
そのため、ITシステムといえば非常に費用がかかるものとのイメージが一般的でした。
メインフレームと呼ばれる大型汎用コンピュータも、その上に載せるシステムの開発費も高額で、中小企業にはなかなか手が出ないものでした。

大企業にとっても、システムの開発費用・保守費用は結構な負担になっていました。そこで、できるだけメーカーを絞り込んだうえで、自社で開発要員(プログラマー)を雇って、自前で開発するのが最も経済的だと言われていました。

また、一度作りあげたシステムは、高額ですから、自社で雇った開発要員にメンテナンスをさせながら、10年以上にわたって長く使い続けることが当たり前でした。大手の上場企業の中には、20年間同じシステムを使い続けているところも珍しくありません。

昔は、ビジネスの変化のスピードもそれほど速くありませんでしたから、多少、古くなっても、安定しているシステムを長期間利用することが合理的だったのです。

その状況に大きな変化が起きたのが西暦2000年のことです。覚えている方も多いでしょうが、当時「2000年問題(Y2Kプロブレム)」が世間を大きく騒がせました。

2000年問題とは、1999年から2000年へと日付が切り替わるときに、世界中のコンピュータで、システムが誤作動する危険があったことをさします。

その理由は日付の扱いです。それまで多くのシステムでは西暦の日付を下2ケタで処理していました。1989年なら89、1995年なら95と表示することで意味が通じたからです。

しかし、2000年になると表示が00となってしまい、同じく00表記をされる1900年との混同が起きてしまいます。

実際には1900年にはまだコンピュータはなかったのですが、日付でソートを行ったときに2000年(00)のほうが1990年(90)よりも古い日付として処理される可能性があります。

そのような誤作動が積み重なって、システムがダウンすると、たとえば鉄道が止まったり、停電が起きたり、さまざまな問題が起きるのではないかと危惧されたのです。

2000年問題はメディアを通じて広く報道されたこともあり、企業の不安を大きく煽りました。当時はすでに、中小企業でもコンピュータ・システムを導入していましたから「うちは大丈夫」と胸を張って言える会社はほとんどありませんでした。

そこにつけこむようなかたちで売り込みを行ったのがIT業界でした。2000年問題の危機感を煽るかたちで、IT業界は新しいシステムのマーケティングを大々的に行いました。

当時、実際は多少の手直しで済むようなところでも「いい機会だから」と新しいシステムに入れ替えた会社が多かったのです。

一方で、みんなが対策にやっきになったおかげで、懸念された2000年問題による事故
はほとんど起きませんでした。当時、大みそかに徹夜で待機していたプログラマーは多かったのですが、ほとんどが呼び出されることもなく、平穏無事に新年を迎えることができたはずです。

ITコンサルタントのコメント(2021年12月29日)

2000年問題ほど世間を騒がせてはいませんが、最近では『2025年の崖』がIT業界で大きな話題になっています。

『2025年の崖』とは2018年に経済産業省が発表した「DXレポート」で、複雑化・老朽化・ブラックボックス化したレガシーシステムがDX実現の足かせとなり、2025年以降、年間12兆円の経済損失を被る可能性が高いと警告した内容を指します。

現在、自社のレガシーシステムに課題意識の無い企業や、DXへの対応は十分と胸を張って言える企業は殆どありません。
そこにIT業界はシステム刷新のマーケティングを行っています。

2000年問題の時と同様に、あまり必要性が無いのに「いい機会だから」とシステム刷新してしまう状況が予想されます。

システム刷新の前に、DXにおいて何を如何になすべきかの見極めが必要です。

2021年12月29日 (水)

青山システムコンサルティング株式会社

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