最初から完璧を目指さない

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DXへの取り組みが活発化する中、最近クライアント様から施策に対する進捗状況への評価について、コメントやアドバイスを求められる機会が増えてきました。
先日も、請求業務の効率化を目的とした、Web請求書システムの導入・展開の一次評価について、意見を求められました。

その評価は、導入後3ヵ月で、印刷・郵送からWeb請求に切替ができた取引先が全体の20%であり、当初の目標には到達できておらず、効果が実感できていないとのことでした。

しかし、私の評価は「3ヵ月で20%は順調ではないでしょうか」という感触をお伝えしました。
それに対して経営層および担当部門の責任者は、「100%を目指す施策で未だ20%か」という感触であると伺いました。

勿論、当初の目標に対して、著しく下回っている結果ならば、「未だ20%か」という評価はわかりますが、相手のある施策においては、最初から100%=完璧を目指すのは無理があると私は考えます。

ビジネスプロセスの変化への対応は、しばしばネガティブな捉えをしてしまう傾向があります。
これが自身にとって目に見える効果があるビジネスプロセスの変化でない限り、この手の変化はなかなか受け入れられません。

昨今のデジタル化・DX推進についても、推進する自社にとってはメリットがあるものの、ビジネスプロセスの変化を受け入れる相手にとっては、ただの業務負荷の転嫁となるケースが実際あります。

実は今回意見を求められたWeb請求書システムの導入も、今までは請求書を直接取引先の経理部門へ郵送していたのが、取引先の担当者がWEB画面で確認し、確認した請求書を印刷、経理部門への支払依頼をする手間が発生するという、取引先担当者への業務の転嫁が隠れていました。

DXへの取り組みをする上では、スモールスタートで小さな成功体験の積み重ねが重要と、弊社の書籍でも紹介しております。

大切なのは20%でも成功があり、この数字がどう増えていくか、どう増やす取り組みを長い目で実現していくかが重要です。
経営者の方々含め、費用対効果の設定において十分な検討が必要です。

皆様の中で進めるDXの取り組みや社外関係者を巻き込むシステムの導入・刷新をする際、業務の転嫁が発生していないか、転嫁される場合においても、そこへの十分な理解・最大限の負荷軽減を促す取り組み・体制を構築することで、最終的に完璧と思えるプロジェクトの成功に導けることを切に願っております。

2021年07月19日 (月)

青山システムコンサルティング株式会社

畠山健