漫才にみる新しい価値を生み出す体制

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■片方だけではダメ

私はお笑いが好きで、特に漫才が大好きです。
中にはダブルボケという特異なスタイルもありますが、
スタンダードな漫才は、ボケとツッコミで構成される話芸です。
ボケとツッコミは役割が異なり、それぞれ得意なことが違います。
DX(デジタル・トランスフォーメーション)の取組みや
新規事業の立上げといった、新しい価値を作る営みでも同じように、
異なる得意技をもった人材で組織した方が良く、
ボケのみでも、ツッコミのみでも、うまくいきません。

■ボケの役割

ボケは、話を広げて今までの流れと違う展開を作ります。
新しい価値を作る営みにおいても、ビジョンを語り、
今の延長線にない世界を描く役割が必要です。
歴史上の人物であれば、豊臣秀吉みたいなイメージですね。
しかし、豊臣秀吉だけでは、
天下統一を成し遂げることはできなかったでしょう。

■ツッコミの役割

ツッコミは、ボケが広げた話を回収して、
笑いとして着地させます。
新しい価値を作る営みにおいても、リアリズムの感覚を持ち、
ビジョンを実現する道筋をつくる役割が必要です。
豊臣秀吉の例でいえば、竹中半兵衛や黒田官兵衛ですね。
逆に、彼らだけであっても、
天下統一を成し遂げることはできなかったでしょう。

■推進役は積極的にボケる

もし、あなたが新しい価値を生み出す営みを
推進する役割を担ったのであれば、
得意か不得意かを置いといて、とにかくボケを演じてください。
顧客視点でありたい姿を描き、
実現したい世界がどんなものなのか、
壮大なストーリーを指し示してください。
そうすれば、実務を担っている人が、
ツッコミ役として、少しずつ現実にしてくれます。

■ボケの評価

ボケとツッコミの関係を良好にするためには、
それぞれ異なった評価をする必要があります。
実務を担っている人は、実績という目に見える成果があるので、
定量的に評価することができますが、
ビジョンを語る人は、すぐに実績につながりません。
そして、全てが成功するとは限りません。
どうしても評価されにくい役割になります。
役割が違う2人を無理に同じ尺度で評価をせずに、
例えば、ボケた回数。
すなわち、描いたビジョンを検証した回数で、
ボケの人を評価をするような工夫が必要です。

■まとめ

古来から世界中で石垣が作られてきましたが、
今も残っている頑健な石垣は、
大きな石と小さな石のバランスが良いものです。
それぞれの役割を認め合い、それぞれが評価されて、
新しい価値を生み出せる組織を組むことも、
リーダーに求められる資質かと思います。
片方に偏らないバランス感覚を養うことを意識すべし!
と、日々私は自分を戒めています。

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2020年11月23日 (月)
青山システムコンサルティング株式会社
長谷川 智紀