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とある通信販売を事業としている会社の情報システム部員3人が抱えている『問題』
である。
Aさん 「最近、予約受付システムの動作が遅いみたいだ・・・」
Bさん 「予約受付システムの動作が遅いせいで、販売機会損失が発生している!」
Cさん 「予約受付システムの動作が遅くて、使い物にならない!」

お分かりのとおり、3人の悩みは、ほとんど同じことを言っている。
しかしながら、本当に『問題』を的確に捉え、表現できているのは、このうち1人だ
けである。

正解は・・・Bさん

なぜBさんが『問題』を的確に表現できていて、Aさん・Cさんができていないのか、
解説していこう。

Aさん 「最近、予約受付システムの動作が遅いみたいだ・・・」
遅いことは確かに『問題』とも思えるが、よく考えてみると、遅いと何が『問題』な
のかがわからない。
つまり、そういうことが発生しているという『事実』を表現しているだけである。
実は、遅くてもビジネス・業務上はまったく『問題』がないのかもしれない。
したがって、Aさんは『問題』を的確に捉えられていないと言える。

Bさん 「予約受付システムの動作が遅いせいで、販売機会損失が発生している!」
販売機会損失が発生しているというのは、ビジネス上の明らかな『問題』であるとい
える。
Bさんの悩みを分解すると、以下のようになる。
販売機会損失が発生している
↓ なぜか?
予約受付システムの動作が遅い
つまり、顕在化している『問題』と、その『原因』を表現していることがわかる。
※問題点から、その根本原因をどのようにつきとめるかについては、またの機会に紹
介したい。

Cさん 「予約受付システムの動作が遅くて、使い物にならない!」
こちらはAさんと同様である。

このように、「これが『問題』だ!」とあげられる内容のうち、実はただの『事実』
を言っているだけというケースは非常に多い。

他にもただの『事実』にも関わらず、『問題』として挙げられがちな例として以下の
ようなことがある。

「業務が標準化されていない」
これは誰しも一般的に『問題』と捉えがちである。しかしながら、標準化されていな
くても効率的に業務がこなせているのであれば『問題』ではない。(そういったケー
スは少ないが・・・)

本当に『問題』であるならば、以下のようなに具体的に表現されるべきである。
「業務が標準化されてないがゆえに業務の引継ぎができず、部署間の人事異動ができ
ない」
「担当者が休んだら業務が滞る」

問題点をあげる際には、一度立ち止まって欲しい。

そこで
「これは本当に問題点なのか? ただの事実ではないのか?」
と、自問自答することで、本当の『問題』がみえてくる。

問題点を勘違いしていると、その解決策も本来あるべきものにならないケースが多
い。
「問題点を的確に・正確に捉える」ことの重要性を、今一度認識して欲しい。

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2008年11月30日 (日)

青山システムコンサルティング株式会社

野口浩之