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 レビューの質とはなんでしょう?
 今回は、システム開発のプロジェクトなどで実施されるレビューについて、
「後続行程で問題が発生した際の手戻りを減らす為に、早い段階で問題を検出すること」を目的に、「手戻りを起こす問題が、多く検出された」レビューを、「質の高いレビュー」と定義します。
 本コラムでは、レビューの質を高める為の、3つのポイントについて記載します。

 レビューを実施する際、みなさんはどの様な点に気を付けていますか。
 私の経験では、レビューの質は、事前に行う3つの準備によって、驚くほど高くなります。

 レビューの質を高める3つのポイントとは、以下の3点です。

  ①レビューの目的を明確にする。
  ②レビュアの役割(立ち位置)、および責任を明確にする。
  ③レビューの実施方法を明確にする。

 それぞれのポイントについて、以下で説明します。

①レビューの目的を明確にする
 そのレビューは、何を目的としているのかを明確にします。
 前述のとおり、レビューを行う目的は、後続行程で発生する可能性のある、問題の抽出であり、有識者(レビュア)の目で見て、成果物に問題がないことを確認することです。

 後続行程で発生する問題は、成果物ごとに異なります。
 そのため、より具体的に、どういった点に問題がないことを確認して欲しいかをレビュアに伝える事が、レビューの質を高めるためには有効です。

②レビュアの役割(立ち位置)、および責任を明確にする
 レビュアのみなさまに、それぞれどのような役割でのレビューを実施して欲しいのかを明らかにします。またレビュアには、担当する領域の代表として参加している事を、意識づける必要があります。

 プロジェクトでは、色々な領域での役割を兼務されている方もいると思います。兼務により、役割および責任が曖昧となり、レビューの質が落ちてしまっている場面をよく目にします。
 レビュアの役割および責任を明確にする事で、どの役割でレビューを実施すればいいかが明確となり、より質の高いレビューを実施することが可能になります。

 また、レビュアの役割を明確にする事で、レビュアの選定漏れなどを無くすことも可能となります。例えば、役職や、担当領域、チームなどのレベルでレビュアを洗い出すことが有効です。

③レビューの実施方法を明確にする
 レビューには対面形式/書面形式、対象物を見たり触ったりなど、様々なやり方があります。
 今回のレビューはどのように実施するのか、指摘や感想をどのようにフィードバックするのか、これらを明確にする事で、レビュアはより効率的に、レビューを実施することができます。

 以上の3つの準備、みなさんは実施していますか?
 さらに、レビューの質を高めるために、3つの準備によって明確になった点をレビュー方針として明文化し、レビュアがいつでも確認できる状態を作りだすことも効果的です。

 みなさんも、作業の依頼を受けた時などに、いつまでに、何を、なぜ、誰に、どうやって、といった点が気になって、作業に集中できないことはありませんか?
方針が整理されていると、レビュアはレビューに集中することが可能となり、レビューの質は高くなります。

 本コラムの末尾に、レビュー方針書を例示します。
 もし、レビューの質が低い、レビューを依頼しても望むような結果が得られない、というような事があれば、本コラムで紹介した3つの準備および方針書を、ぜひ次回のレビューから取り入れてみてはいかがでしょうか。

2016年11月
青山システムコンサルティング株式会社
高橋 和大


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○○計画書レビュー方針書

【本レビューの目的】
 後続行程での手戻りをなくすことを目的として実施します。
 そのため、下記の点をご確認ください。
  ・記載内容の実現可能性に問題がないか。
  ・実現するための計画項目に、不足している点がないか。

【各レビュアの役割】
 各レビュアの役割は以下のとおりです。
 それぞれの領域に関連する点について、より注視してレビューをお願いします。

  ・〇〇さん ●●領域
  ・△△さん ▲▲領域

 ※各領域の代表者を選出いたしました。

【レビューの実施方法】
Step1 事前レビュー 11/1~11/4書面にて実施
不明点や指摘事項は所定のフォーマットに記載してください。

Step2 対面レビュー 11/7 対面にて実施
 計画書の説明を実施します。事前にまとめて頂いた、不明点や指摘事項についてはこの場で確認します。

Step3 資料修正 11/7~11/11
 ご指摘いただいた内容について、計画書を修正します。

Step4 最終レビュー 11/14~11/18 書面にて実施
 修正後計画書のご確認をお願いします。再指摘がある際は、所定のフォーマット記載の上、□□にご連絡ください。

以降、指摘事項がなくなるまでStep3、Step4を繰り返します。

以上
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2016年11月15日 (火)

青山システムコンサルティング株式会社

高橋 和大